エンゲージメント経営プラットフォーム【ツナグ|TUNAG】

エンゲージメントを軸とした経営手法

03.エンゲージメント経営とは?

前章では、エンゲージメントを高めるために重要なポイントや注意点について解説しました。本章ではエンゲージメントを軸とした経営手法「エンゲージメント経営」の実践についてご紹介します。エンゲージメント経営の定義や状態、取り組み方、効果測定や指標などをまとめているので、ぜひ参考にしてください。

エンゲージメント経営とは?

ーーはじめにエンゲージメント経営の定義について教えてください。

相互信頼関係の図

会社として「エンゲージメント」を軸に様々な組織課題の解決を目指す経営手法をエンゲージメント経営と定義しています。

エンゲージメントという概念自体は人事やHRTechの領域で語られることも多いですが、人事だけが取り組めば実現できるというものではありません。経営として会社や従業員の成長のためにエンゲージメントの改善に取り組んでいくことが重要であり、その取り組み全体を総じて、エンゲージメント経営と考えています。

ーーエンゲージメント経営を実践している企業とは、どのような状態になっていることを指すのでしょうか?

会社の目指している方向について経営側だけでなく、従業員側も理解・共感し、個々人が会社の方針やビジョンの実現に向かって行動できている状態。また、それらが個人のキャリア形成にもつながっている状態だと考えています。

具体的には、従業員が会社の方針を理解し、共感を深め、感化されて自分自身も頑張ろうと思う状態です。そういった従業員が社内に増えると、従業員が互いに良い影響を与えることで強い組織になります。一方で、会社の方針に理解や共感ができない従業員が多いと、社内の待遇や体制の変化や外部環境の変化が与える影響によってパフォーマンスが下がったり、離職にも繋がりやすくなります。

▼「働きがい」とエンゲージメント経営の関係性とは?
働きがいとエンゲージメントは似ていますが、別の概念です。働きがいは、会社の様々な取り組みの結果、従業員が「働きやすさ」や「やりがい」を感じる状態を指し、エンゲージメントは信頼関係そのものを指すため、実は同義ではありません。エンゲージメント経営に取り組むことで、働きがいが高い状態を作り出すことができます。
>>働きがいとエンゲージメント経営の関係

ーーエンゲージメント経営を実践する際は、経営側や会社としてどのような考え方で臨めばよいのでしょうか?

経営戦略と人材戦略を一気通貫でつなげることがエンゲージメント経営そのものであり、根幹となる部分です。経営戦略と人材戦略にズレや乖離がある場合は、会社の方針や経営の想いに対して従業員からの理解・共感が得られません。

また、エンゲージメントは容易に高まるものではありません。効果が出るまで長い目で継続的に取り組む必要がありますし、施策を1つ実行するだけで高まるものではない為、すぐに思うような結果は得られません。複数の施策を回し、トライアンドエラーを繰り返すことで、少しずつ信頼関係が構築され、エンゲージメントが高まっていきます。

エンゲージメント経営への取り組み方とは?

ーーエンゲージメント経営の取り組み方としては、どのような方法が考えられますか? 

エンゲージメント経営への取り組み方

大きく3つのポイントがあります。

まず、経営側がどのような会社にしていきたいのかといった「会社の方針」を決めること。次に、その会社の方針を経営側から現場に十分に伝えていくこと。最後に、会社の方針を伝えるときは、必ず経営側の想いや背景などを丁寧に伝え続けること。

エンゲージメント経営を実践していく上で、必要な取り組みはこの3つです。

ーー会社の方針を決めることと、エンゲージメント経営とはどのように関係しているのでしょうか?

エンゲージメント経営は、会社の方針や経営の想いに対して従業員が理解・共感を深めることで進んでいきます。そのため、会社の方針が不明瞭ではそもそもエンゲージメント経営に取り組めません。

あとは、やはり経営側に想いがないと従業員はついて来ませんし、「想いがあって伝わらない」のと「想いがなくて伝わらない」のでは、状況は全く異なってきます。 どんな会社にしたいかという方針や想いのない経営者は、エンゲージメント経営に取り組むことが難しいと考えています。

この会社をどうしていきたいかを決めることが一番最初に必要なことであり、最も重要なポイントだと捉えています。

決定事項だけでなく、経営の想いを伝える

一番重要なのは、決まった「コト」だけではなく、会社をこうしたい・従業員にこんなふうに働いてほしいという「想い」を伝えることです。具体的には想いに至った「意図や背景」を丁寧に伝えることですね。

例えば、新しい施策の開始を伝えるときに、「来月からこれを始めます」と決定事項だけ伝える方法もありますが、「また面倒が増える」「なんでわざわざそんなことやらなくちゃいけないの?」という受け取られ方をしてしまう恐れがあります。せっかく会社を良くしようと思って施策を始めるのに、勿体ないですよね。

一方、「会社として、より経営理念に合った方針をとりたい」「従業員の皆さんからこんな声がある中で、それに応えたい」など、施策のもとになった意図や背景と経営側の想いとセットで伝えれば、従業員の受け取り方や納得感は全く違ってきます。

会社の方針や戦略を伝える際には、「想い」も一緒に伝え続けることを意識的に行うと良いと思います。

従業員の良い行動に対して、経営側がフィードバックをする

もう一つ大切なのは、期待する行動をとった従業員に経営側がフィードバックをすることです。

社内の取り組みでよくある失敗事例として、「エンゲージメントを高めるためにとりあえずサンクスカードを導入してみる」という、手段が目的になっているケースが挙げられます。このようなケースでは、経営側がサンクスカードを導入することで勝手に従業員の士気が高まると勘違いしていることが多いです。

しかし先ほど述べたように、エンゲージメント経営を実践するためには経営側から従業員に方針の意図や背景を伝えた上で、従業員がそれを体現する行動をとったら経営側が積極的に褒めてフィードバックすることも大切です。

経営側がリアクション(反応)をすることで、従業員側からすれば、自分の頑張りをしっかりと見てくれているといった気持ちになりますし、そういったコミュニケーションを大切にすることで相互の信頼関係は生まれてきます。

エンゲージメント経営に取り組むのはあくまで企業であり、企業や経営側が主体となって取り組んでいく必要があるということです。

▼経営理念の浸透
エンゲージメント経営を実践する企業様の中には、経営理念の浸透に取り組んでいる企業様も多くいらっしゃいます。経営理念も、そこに込めた意味や背景を伝え、一貫性のある発信をしていくことが重要です。
>>経営理念を浸透させようとすると失敗する 必要なのは、「生きた状態」にすること

エンゲージメント経営の効果測定や指標について

ーーエンゲージメント経営の取り組みが始まってからの効果測定についても教えてください。

経営側は会社の方針や想いを伝えて終わりではなく、発信した内容がしっかりと届いているか、従業員の行動が変わっているかを把握していくことが重要です。

定量面・定性面の両軸で検証して、改善を繰り返していくことがエンゲージメント経営を実践する上で必要な取り組みだと思います。

そういった意味で、組織診断ツールなどは定量的な数値で行動を可視化できるのでエンゲージメント経営に活用できますね。

ーー経営指標としては、具体的にどのような指標を追うとよいのでしょうか?

一人当たりの売上高や一人当たりの稼働率、離職率などがあげられます。実際に「ギャラップ」「CEB」などの世界的コンサル会社の調査・研究により、「企業の業績向上」との相関関係の有無が明らかにされています。エンゲージメントが高まるほど、組織やチームの収益性、生産性、株価収益率といった業績指標は目に見えて高まり、合わせて、離職率や欠勤といったネガティブ要素も大きく低下します。実際にTUNAG導入企業でも、一人当たりの売上高の向上が業績アップにつながっています。

エンゲージメントの指標の図1 エンゲージメントの指標の図2

出典:
図1 GALLUP「Engagement Effect on Key Performance Indicators」を元に当社作成
図2 CEB「Corporate Leadership Council 2004 Employee Engagement Survey」を元に当社作成



ただし、エンゲージメント向上による成果は一朝一夕には見えてきません。TUNAG自体の利用率や、組織課題や目的に合わせて設計した制度の利用率・コメント率、定着率などの数値は長期的に見ていく必要があります。それらの変化を効果指標として日々確認しながら、PDCAサイクルを回し、段階的に最終的な経営指標を追っていくようなイメージです。

エンゲージメント経営の加速に必要なもの

ーー最後に、エンゲージメント経営を加速させるのに必要なことについて、どのように考えているか教えてください。

エンゲージメント経営に限ったことではないですが、やはり「会社を良くしたい」という同じ思いで取り組んでいる他社の事例は参考になると思います。会社は自然と良くなっていくものではありませんが、ひとりひとりの従業員の集合体なので、会社を良くしたいというエンゲージメントの高い層の働きかけで変わっていくからです。

例えば弊社では、2021年10月に「エンゲージメントアカデミー」を設立しました。これまでTUNAGでは、数多くの企業様のエンゲージメント経営の実践を実現してきましたが、その経験を活かしてエンゲージメント経営に取り組む経営者や担当者の⽅の学び・知るきっかけを提供する場として運営しています。

具体的には、社内制度などの施策の企画や設計について、また実際に経営陣や現場にどうアプローチするか、施策をどのように浸透するかなど行動のヒントを得ることができます。

そうした場をうまく活用し、会社という枠を超えて学び合い、ヒントを出し合うことで、個々の会社のエンゲージメント向上が加速していくのではないでしょうか。

エンゲージメントアカデミー

▼「エンゲージメントアカデミー」について
様々な企業と交流やワークを通じてリアルな体験を共有できる「エンゲージメントスクール」、エンゲージメント経営に取り組む企業とオンライン上で気軽につながることのできるプラットフォーム「エンゲージメントサロン」、年に一度自社のエンゲージメント経営への取り組みや組織の成長を他社とともに客観的に振り返る「エンゲージメントアワード」の3つのコンテンツを提供しています。
>>エンゲージメントアカデミーの詳細はこちら

満沢 将孝

取締役執行役員 / CHRO(最高人事責任者)

1986年生まれ。埼玉県出身。新卒でオフィスコンサルティング会社に入社し、営業役員や人事役員を歴任。2018年3月にスタメンに入社。同年9月からは執行役員としてセールス部門を牽引し、導入企業数を拡大する。2019年9月に取締役TUNAG事業部長に就任。強固な組織づくりを推進し、TUNAG事業全体の運営を統括している。