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エンゲージメントとは?
意味、効果、高める方法を解説

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これまでの終身雇用を中心とした働き方では、さほど「エンゲージメント」について気にすることがなかったかもしれません。

ですが、現在は人材の流動化やワークモチベーションの多様化が進んでいるため、同じ会社で生産性高く働き続けてもらうためには、会社と従業員の「エンゲージメント」が非常に重要になってきています。

さらに最近はコロナウイルスの感染拡大によってリモートワークへの移行を余儀なくされた企業も多く、リモートでも従業員が生産性高く業務をするためにエンゲージメントを高めることはますます重要になるでしょう。

今回は、エンゲージメントの意味や、エンゲージメントを高めることでどのような効果があるのか、そしてエンゲージメントを高める方法を解説します。

エンゲージメントとは?

エンゲージメントは「契約」や「約束」を意味する単語

エンゲージメント(engagement)は、使われる場面によって様々な意味や解釈を持つ言葉です。日本語訳すると「契約、約束、婚約」という意味になります。

人事領域におけるエンゲージメントでは、
「会社と従業員の結びつきや信頼関係。従業員会社に対する愛着心」
というように、会社と従業員の関係を表現する言葉として使われています。

また、マーケティングやビジネスシーンでは、
「顧客が商品やサービスに対してどれだけ好意や愛着心を持っているか」
という意味を表しており、TwitterやInstagramなどのSNSを活用したマーケティング指標として使われることも多い言葉です。

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ワークエンゲージメントとは?

「ワーク・エンゲイジメント」(Work Engagement)とは、オランダのユトレヒト大学のシャウフェリ( Schaufeli) 教授らが提唱した学術的概念で、現・慶應義塾大学教授の島津明人氏(2014)99 の資料によると、「仕事に誇りや、やりがいを感じている」(熱意 / dedication)、 「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭 / absorption)、「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力 / vigor) の3つが揃った状態として定義されています。関連する概念として「バーンアウト(燃え尽き)」 「ワーカホリズム」「職務満足感」があります。

島津氏の研究によると、ワーク・エンゲイジメントは、生活満足感、仕事のパフォーマンスについて、正の相関があるという報告がされています。また、海外の研究でも、従業員エンゲージメントが、仕事のパフォーマンスや会社の業績に対して肯定的な影響を与えるという報告がされています。

ワーク・エンゲイジメントの尺度は、シャウフェリ教授らによって、2002年に確立されたもので、今日まで様々な研究者による学術研究も蓄積されています。測定に当たっては、ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメン ト尺度(Utrecht Work Engagement Scale:UWES)が最も広く活用されています。

厚生労働省発行の「労働経済の分析」(労働経済白書)」においても、「ワーク・エンゲイジメント」は、「働きがい」分析するための概念として紹介され、活用されています。 平成30年版ではコラム「ワーク・エンゲイジメントが労働者の健康・仕事のパフォーマンス等へ与える影響」で、令和元年版では「『働きがい』をもって働くことのできる環境の実現に向けて」という章で、言及しています。

平成30年版「労働経済白書」第Ⅱ部 第3章
令和元年版「労働経済白書」第Ⅱ部 第3章

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企業におけるエンゲージメントの定義

会社と従業員、従業員同士に信頼関係があり、絆を感じている状態

エンゲージメントとは

エンゲージメントとは、会社と従業員、従業員同士のタテとヨコ双方の信頼関係が築かれている状態のことをいいます。会社と従業員、従業員同士が貢献したいという気持ちでつながっている関係や、愛着心という言葉でも表現されることがあります。

書籍『エンゲージメント・マネジメント戦略』によると、エンゲージメントについての定義は以下のように記載されています。

“従業員の一人ひとりが組織に対してロイヤリティを持ち方向性や目標に共感して『心からの愛着』をもって絆を感じている状態”

同書によると、「会社が好き」という気持ちだけではなく、「仕事のやりがい」「成長実感」など、会社と仕事に対してポジティブな気持ちを持っていることが求められていることが分かります。

【参考】稲垣公雄 (2010) 『エンゲージメント・マネジメント戦略』(日本経済新聞出版社)

エンゲージメントと従業員満足度、ロイヤルティとの違い

従業員満足度は会社から与えられるモノの上に成立する

エンゲージメントと従業員満足度の違い

「エンゲージメント」と似た言葉で、従業員満足度があります。
エンゲージメントと従業員満足度は確かに似た表現に思えますが、実際には全く異なるものです。

従業員満足度はES (Employee Satisfaction)と略されることもあり、従業員が会社の人間関係や報酬、労働環境にどれくらい満足しているかを表した言葉です。

従業員満足度は、文字通り、従業員の「満足度」を示しており、上の図のように、会社から一方的に与えられた報酬や環境、待遇の上に成り立つものです。
そのため、昨今のコロナウイルスなどの影響で、会社の業績が厳しくなりこれまで用意していた福利厚生や給与条件などの待遇が悪化すると、失われてしまう可能性があります。

そして、福利厚生の充実や労働環境の整備などの施策は従業員満足度を高めることには繋がりますが、従業員の成長や企業の業績アップに必ずしも結び付くとは限りません。

一方で、エンゲージメントは会社と従業員との“信頼関係”がベースにあるため、会社経営が厳しい時こそ最大の効果を発揮し、会社全体で一丸となって支え合う強さがあります。

エンゲージメントが高い会社は従業員に貢献意欲や会社への愛着が芽生えるため、自発的に各個人の能力を発揮し、業績アップにつながる可能性が高まります。

ロイヤルティは、忠誠心でつながる上下関係を示す

また、エンゲージメントとは「ロイヤルティ(Loyalty)」とも異なります。

ロイヤルティを日本語に直訳すると、「忠誠」「忠義」という意味になります。

エンゲージメントが会社と従業員の「相互」信頼関係なのに対し、ロイヤルティは従業員から会社への「一方的な」忠誠心を表します。

ロイヤルティは、従業員が会社やチームに対して忠誠心を持って行動するという、「会社が上、従業員が下」の関係性を前提にしています。
そのため、ロイヤルティが高くてもエンゲージメントの低い組織では、従業員が会社の命令に「忠実に従う」ことはあっても、「主体的に取り組み、クリエイティビティを発揮する」ことは難しくなると考えられます。

エンゲージメントが注目されている背景

人材の流動化

これまでの終身雇用や、年功序列といった人事制度が崩壊し、成果主義、実力主義の報酬体系へと移行する企業が増えてきています。

この動きに従って、労働者はよりよい待遇や環境を求めるようになりました。これにより人材の流動化が進み、優秀な人材であればあるほど、よりよい環境を求めて職場を移る可能性が高まります。

さらに最近はコロナウイルス感染拡大の影響で、リモートワークを導入する企業が増えてきていたり、副業を解禁する企業も多く、働き方も多様化してきています。
自分に合った働き方ができる環境を求めて職場を移る傾向は、今後ますます加速していくでしょう。

そのような中で、人材の流出を防ぐために「エンゲージメント」が注目されるようになりました。

従業員と、待遇面だけではなく「信頼関係」でつながることによって、会社と従業員の間の絆をつくり、人材の流出を防ぎます。

個人の価値観の多様化

また、近年、個人の価値観やワークモチベーションが多様化してきていることも、エンゲージメントが注目されている背景として挙げられます。

最近の世代は、昔ながらの画一的な日本の価値観にとらわれることなく、ワークモチベーションや雇用形態について多様な価値観を持ち合わせています。

昇給や出世よりも、自分が働くことの意義や仕事のやりがいを重視する人や、入社した会社の組織風土や仕事の内容が自分に合わないと感じたらすぐに辞めてしまう人も珍しくなくなってきています。

さまざまな価値観を持つ従業員に、やりがいを持って生産性高く働いてもらおうと考えたときに、これまでのような「会社が従業員を従える」ようなマネジメント方法では限界があります。そのようなマネジメント方法では、多種多様なワークモチベーションを持つ従業員を束ねていくことは難しいでしょう。

そこで大切になってくるのが、会社と従業員双方向の信頼関係である「エンゲージメント」の考え方なのです。

一方的な支配ではなく、お互いに信頼できる関係性を作ることで、会社をひとつにしていくことができます。

エンゲージメント向上で得られる効果

会社の業績を上げるだけでなく、
「離職率の低下」「採用費の低減」が期待できる

従業員エンゲージメントが2%増加するごとに、顧客満足度を1%増加させることができたという調査結果※1 や、フォーチュン誌では、アメリカトップ企業100社に選ばれた製造業部門にて、「エンゲージメントの高いチームが離職率を14.5%から4.1%に改善した」※2 との結果が出たと発表しています。

このように、エンゲージメントの高い従業員が増えると、売上や利益などが増加したり、離職率が低下するということが分かっています。

離職率を抑えることで、採用費を会社の中で活躍している従業員に還元する方が、さらなるエンゲージメント向上に貢献でき、良いスパイラルを生むのではないでしょうか。

今後少子化が進み、新たな人材を確保することが難しくなってくることは明確です。その点からも会社と従業員のエンゲージメントを高めることの重要性は増しています。

※1 参考:Engagement Leads to Growth at Morrison
※2 参考:Employee Engagement: The Key to Realizing Competitive Advantage

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エンゲージメントが高い状態とはどんな状態?

1)従業員が会社と仲間を信頼できている

従業員が本来の力を発揮するには、会社と従業員、または従業員同士での信頼関係を築くことが重要です。同僚、上司という近い関係はもちろん、従業員と会社の関係でも信頼関係が必要です。

会社と従業員という縦の関係、従業員同士の横の関係、双方の信頼関係があることが重要です。

2)仕事に対して貢献意識があり、前向きな気持ちを持てている

従業員同士の人間関係が良好なだけでなく、仕事そのものに対してポジティブな気持ちで取り組めていることも求められます。

仕事の難易度が高すぎず低すぎず、本人の目標と仕事・会社の目標が反対方向をむいていない状態が理想だといえます。仕事内容にもやりがいを感じ、顧客から感謝されるものである方が、前向きな気持ちで取り組めます。

3)自分の会社や事業を、家族や知人にも勧めたいという気持ちがある

会社の待遇や環境に満足しているだけでなく、他人にも勧めたいという気持ちになっている状態は、エンゲージメントが高い状態といえます。エンゲージメントサーベイなどでは、NPS調査を利用することもあります。

分かりやすい指標としては、リファラル採用(社員紹介採用)があげられます。従業員からの紹介採用が多い会社はエンゲージメント経営がうまくいっている会社といえるのではないでしょうか。

関連記事:リファラル採用のメリットや運用方法、事例を解説! 勝手に人が集まる会社へ

解決すべき「人」と「組織」の課題とは

1)経営理念やビジョンの浸透(タテの関係)

“会社と従業員”の信頼関係を構築し、エンゲージメント向上を目指すには、会社の考えを従業員が理解・共感したうえで業務に向かっていなければなりません。

会社の経営理念や行動指針は、従業員の方がどれくらい理解しているでしょうか?それに当てはまる行動がどう評価に結びついているでしょうか?まずは会社から従業員へのメッセージをしっかり伝えられていないと、あらゆる施策や業務においてその背景や目的、意図がうまく伝わらないままになってしまいます。

2)社内コミュニケーション(ヨコの関係)

“従業員同士”の信頼関係を構築し、エンゲージメントを向上させるために課題になるのは“社内コミュニケーション”です。

社内コミュニケーションには、従業員同士の中でも、「上司と部下」「チーム内メンバー同士」「他部署と自部署」など、様々な方向があり、どの関係も一方通行ではいけません。そのため、社内コミュニケーション改善には、様々な施策が求められています。

しかし、近年パワハラやセクハラ、働き方の多様化がすすみ、社内コミュニケーションの難易度が上がっています。社内コミュニケーションの必要性は感じていながらも、昔と同じ方法ではコミュニケーションがうまくいかないケースも多く、どうしたら良いのか分からない。とお悩みの方も多くいらっしゃいます。

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エンゲージメントサーベイとは

エンゲージメントを数値化するための調査

実際に自分の会社のエンゲージメントはどれくらいであるのかを調べたいときに有効なのが、エンゲージメントサーベイです。
エンゲージメントサーベイによって、上記の「解決すべき課題」の所在を明らかにします。

従業員に向けた複数の質問項目からなるアンケート調