社内SNSの成功事例2選と6つの導入ポイント
目次
社内SNSの成功事例2選
株式会社ウェルカムの事例
食とデザインの2軸で「DEAN & DELUCA」などのブランドを展開されている株式会社ウェルカム様。
緊急事態宣言下の全店休業の窮地に、経営のことや代表自身のプライベートについて代表から従業員に発信し続けました。加えて写真や動画を活用したことで、自宅待機している従業員を中心にコメントやスタンプが増え、従業員が経営陣の考えをより身近に感じることができました。
京都信用金庫の事例
預金量、貸出金量ともに信用金庫業上位の規模を誇る京都信用金庫様。
「日本一コミュニケーションがゆたかな会社」を目指し、最新情報やイベントの告知などを毎日のように投稿。リアルタイムに信用金庫の情報が伝えられるようになり、職員の興味度合いや反応も可視化することができました。
社内SNS導入を成功させるための6つのポイント
1)目的を明確に設定する
社内SNSを導入する際は、目的を明確にすることが重要です。社内SNSを導入する際の主な目的としては大きく3つあります。
1)タテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーション活性化
2)会社からの情報や業務上のノウハウ共有
3)会社の経営理念やビジョンの浸透
3つの項目において何を目的として、どういった利用を促すのかということを明確に設定することで投稿がアクティブになりやすい状況を作ることができます。
2)既存ツールとの棲み分けをはっきりさせる
社内SNSを導入する際、既存ツールとの「棲み分け」が必要になることが多くあります。一般的に目的が重複しがちなものには、以下があげられます。
・社内ポータル/グループウェア
・社内掲示板
・チャットツール
うまく棲み分けるには、コミュニケーションの内容を、「フォーマルなものとインフォーマルなもので分ける」ことや、「コミュニティ形成を目的とした対話ができる場」とするなど、ツールごとに目的と使い方を明確にし、理解してもらう必要があります。
場合によっては、徐々に社内掲示板を社内SNSツールに移行していく。というようなこともあるでしょう。自社の状況や従業員の活用状況に合わせて改善していくと良いのではないでしょうか。
【関連記事】社内ポータルサイトとは?比較方法、運用目的、活用されない例を解説
3)従業員にメリットがある
社内SNSを活用するメリットがないと、継続して利用されません。従業員が社内SNSを使うメリットの一つには、業務上では得られない“新たな気づきや喜びを得る”ことがあります。
・他の部署の社員が、業務に関連するノウハウを共有することで自分にも学びになる
・同期のメンバーが他支店で活躍しているのを見て刺激を受ける
・自身の投稿に対して社長や経営陣がコメントを通じてフィードバックをくれる
このような学びを得ることや承認欲求が満たされるようなことは、SNSだからこそ実現しやすくなります。
また、SNSの強みとして「リアルタイム性」があげられます。リアルタイムで情報が投稿され、更新されていくことで、よりスピード感を持って情報共有を行うことができます。
お客様からの声や、入社した従業員の情報などを、離れた拠点にいてもすばやくキャッチできることで、チームとして一体感を持ち、業務に取り組むことができます。
4)システムが使いやすい
社内SNSを導入する上で、アクセシビリティやユーザビリティももちろん重要です。そもそも使いづらいものは使われません。
なるべく直感的に使えるものにする方が、普段スマートフォンやSNSのサービスを使わない従業員にとっても良いでしょう。逆に、TwitterやInstagramなどのSNSに慣れている若い世代は、普段使い慣れているものと同じように使えなければストレスを感じることもあるため、導入前に従業員からの意見を取り入れるのも重要です。
5)ポジティブに活用される状態をつくる
SNSに投稿される内容がポジティブなものであるほど、良いイメージを持って活用されやすくなります。前述した「目的を明確に」という部分にも関連しますが、感謝や称賛、グッドニュース等を中心に発信することで、ポジティブな雰囲気づくりを行うことができます
社内SNSのポイントは、投稿に関してコメントやリアクションを行うことができる点です。Facebookのような「いいね!」などの反応ができたり、LINEのようにスタンプや絵文字を投稿できるところも活用しましょう。
せっかく良い情報を投稿しても、「誰も見ていない」「反応が無い」……という状態になってしまうと、活用するモチベーションが下がってしまいます。最初は管理職や若手社員などを巻き込んで盛り上げていく仕組みをつくることも重要です。
場合によっては、社内ポイントなどの仕組みを絡めることで盛り上げることもできるでしょう。
【関連記事】「社内ポイント制度で、会社が自然に盛り上がりました」 フィットネス業界で従業員とのエンゲージメントを高める取組みとは
6)社内SNS運用担当のチームを構成する
社内SNSも他のWebサービス同様「生モノ」であるため、運用が要です。社内SNS導入の目的がある以上、達成したい姿があるはずです。その姿をできるだけ定量的に測定できるようにし、その目標に向かって運用改善ができるチームを設けるのがおすすめです。
通常は人事部等の管理部門のメンバーが運用担当になるケースが多いですが、他部署からバランスよくメンバーを集め、プロジェクトチームを構成する方が効果的です。プロジェクトチームの構成としては、従業員数規模にもよりますが以下のような役割で5名〜10名程度いると良いでしょう。
・責任者:経営陣
・リーダー:管理部門
・メンバー:各部門から選抜
メンバーに関しては有志で募るケースもあれば、今後会社を創っていく新卒社員等の若手メンバーを中心に構成することがあります。
運用を進める中で、システムだけではカバーできないアナログな部分が出てくるので、各部門に周知ができるよう、年次や所属等バランス見てメンバーを集めることがポイントです。
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社内SNSが失敗する理由とは
米国Gartner社が、1,000社以上の企業を対象にした調査によると、70%の企業で社内SNSが導入されているにも関わらず、成功したと思っている企業はわずか10%という結果がでています。
米国での調査ではありますが、「社内SNSを導入したもののうまくいかない」「使われず失敗した」というケースは日本の企業にも起こっています。では、なぜうまく行かないのでしょうか?
その理由について、大きく3つあげられます。
導入する目的があいまい
失敗する企業に共通する特徴として多いものが「導入目的があいまい」「目的が不明確」という点です。
目的があいまいであると、投稿内容のジャンルが業務のことやプライベートのことにバラけたり、何を投稿したらいいか分からず使いづらいと感じられたりしてしまいます。結果、「もともとのメールが良かった」など、もともと使っていたツールに戻ってしまったりします。
社内SNSはあくまで「ツール」であるため、どんな課題があるのか、その課題に対して、どうSNSを活用していくのか、ということを明確にする必要があります。
従業員に活用を丸投げしてしまっている
目的が明確になっていたとしても、使い方を丸投げしてしまってはうまく活用されません。「社内の情報共有が目的ですので、活用してください」と言ったところで、従業員はどう使っていいか分かりません。
社内SNSは基本的に役職に隔たりなく投稿内容が全社に公開されるものです。そのような“さらされる”場だと分かっていて積極的に投稿することは難しいでしょう。自主的に発信するような従業員を待つだけでは社内SNSはなかなか活用されません。
また、SNSによってはクローズドなグループを作ったりダイレクトでのコミュニケーションもしやすくなる機能があるものがあります。会社に対する不満を言い合ったり、他の社員の投稿に対して批判的なコメントをするというようなネガティブな使われ方に発展するリスクもあります。
一部の従業員のみの利用に限定されてしまっている
SNSの投稿に積極的な社員もいれば消極的な社員もいます。投稿しないことが一律で悪いこととはいえません。目的が明確で、投稿ルールを設けていても、「どうしても一部の社員しか利用してくれない」というケースはよくあります。
その原因は大きく2つあります。1つ目は、やはり「目的」の部分でSNS活用に従業員全員が“価値”を感じていないということです。例えば、コミュニケーションの活性化を目的に導入したとしても、社内SNSで何をしたらいいか分からなければ活用されません。
「コミュニケーション活性化を目的に、良い事例の共有や、入社者のお知らせを社内SNSを活用して行います。普段離れていて直接聞けないことはSNSを使ってぜひ質問してみてくださいね」など、具体的にお知らせしていきましょう。
2つ目は、積極的にSNSに投稿する従業員との壁ができてしまうことです。積極的に投稿する社員メインのコミュニティが形成され、温度差ができてしまうと、コミュニティ外の社員は疎外感を持ち投稿しにくくなってしまいます。
社内SNSの利用状況を把握しながら、温度差が生まれないよう心がけなくてはいけません。
社内SNS活用の効果
失敗が多いのであれば社内SNSを導入するメリットは無いのでは?と思われるかもしれませんが、そうではありません。双方向の情報発信ができ、コミュニティ形成のしやすさに親和性のあるSNSだからこそ、期待できる効果があります。
タテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーション活性化
社内SNSを活用することで、メールやポータルサイトとは異なる「リアルタイムな双方向のコミュニケーション」を生み出すことができます。目的に応じて投稿を促す内容を設計することで、会社と従業員(タテ)・他部署(ヨコ)・他部署の上司やメンバー(ナナメ)のコミュニケーションを促すことができます。
各種情報発信、ナレッジ共有によるノウハウ蓄積
社内SNSのメリットには「リアルタイム性」と「リアクションのとりやすさ」があります。各部署が情報発信やナレッジを共有することで、スピーディーに会社のことや他部署のことを把握できるだけでなく、その場で質問したり、他部署の人と交流できたりします。
拠点による情報格差を埋めることができるだけでなく、新たな気づきや接点が生まれることも大きなメリットの一つでしょう。
MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)の浸透
社内SNSにMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)に関連する投稿を増やすことで、会社の考えを伝え、理解を促進することができます。
普段、従業員と経営陣は距離があり、直接交流する機会はあまりありません。情報発信も、ポータルサイトやメールでの発信は一方通行になりやすく、現場まで浸透することはなかなか難しいことです。
社内SNSであれば、従業員にとってより身近なものとして運用することができるため、経営陣からの情報発信やメッセージを気軽に見に行ける場として活用できます。経営陣と現場の距離を埋めるツールとして、日常的に利用するSNSと組み合わせることはとても効果的なのです。
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の浸透には、時間と接触量の両方が必要です。ある従業員の行動が行動指針にマッチしている場合は、「行動指針に合ういい行動だね」と社内SNS上で称賛するなど、SNSの特性を活かして会社の考えを広めていくことに活用できます。
社内SNSは継続的に使われることで価値が生まれる
従業員のエンゲージメント向上の効果も
社内SNSを導入するだけで、アクティブに投稿されるわけではありません。しかし、うまく活用し、継続的に利用されることで、社内SNSがコミュニケーション活性化に貢献したり、現場の従業員の学びを促したり、様々な価値を生み出します。
そのような理想の姿になるためには、発信することへの心理的なハードルが無く、どんな立場の人でもオープンなコミュニケーションがとれる職場環境づくりも重要です。
風通しのよい職場環境は、会社と従業員、従業員同士がお互い信頼関係のある状態になることが重要です。弊社ではその状態を「エンゲージメントが高い状態」と定義しており、その状態にしていくために『TUNAG』を使った支援を行っています。
TUNAGを通してコミュニケーション活性化を行う方法
『TUNAG』では、会社からの情報共有(社長メッセージなど)、サンクスカード、1on1MTGなど、会社とメンバーのエンゲージメントを高めるための様々な社内制度の運用を行うことができるプラットフォームです。
Facebookのような見た目、アプリとPC双方で利用できるツールから、従業員のみなさんの使い勝手も良く、利用促進ががしやすいという点が強みです。
通常、社内SNSは自由に投稿しますが、TUNAGは、「サンクスメッセージ」や「ウェルカムランチ」など、社内制度を「箱」の形として用意し、その制度を通して「投稿」するところに特色があります。
エンゲージメント向上には、会社の課題ごとに様々なアプローチがあります。そのアプローチを、TUNAGでは「社内制度」を運用することで行っています。
利用データを見ながら、課題解決のためのステップが進んだのかどうかPDCAをまわしていき、エンゲージメント向上を目指します。その課題把握から運用までの一連の流れを、弊社の専任のコンサルタントが一貫してサポートしております。
次から、TUNAGを使った具体例をご紹介します。
(TUNAG活用事例:1)会社のメッセージやビジョンを伝える
TUNAGで「サンクスカード(GoodJobカード)」を通じて行動指針にマッチする行動に感謝の気持ちを伝える例です。
会社の行動指針や経営理念、現場の方はどれくらい理解しているでしょうか?こちらでは、できるだけ分かりやすく浸透を進めていくための活用例の一つです。
このような投稿がタイムラインに表示され、みなさんの目にとまることはもちろん、「既読数」で従業員のどれくらいが読んだのかを見ることができます。「この社長からのメッセージは必ず読んでほしい」という内容の場合はは、“必読”機能で必ず目にとまるように発信することも可能です。
(TUNAG活用事例:2)動画やデータをリアルタイムに投稿
TUNAGは動画や各種ファイルを添付することが可能です。画面は、ビジネスイベントでのリアルタイム実況や、今日行ったできごとを気軽に投稿する例です。
例えば、新しい店舗がオープンする時の様子を動画でその場で投稿してみんなでお祝いしたり、本社で社長の講演が行われた内容を全社員がすぐに見ることができるようにしたりすることができます。
また、業務マニュアルをデータでストックし、業務上ですぐに共有すべきノウハウを簡単に伝えることができます。
(TUNAG活用事例:3)「社内ポイント機能」で盛り上げ
TUNAGには、社内ポイントを運用できる機能があります。例えば、「サンクスカードをTUNAG上で贈ると、贈った人には3pt、もらった人には10ptを付与する」というような設定も可能です。
自己研鑽につながることを行った時、業務改善提案を行って承認された時……など、あらゆるケースでポイントの付与を行うことができます。
会社の経営理念や行動指針への想いを制度に落とし込むだけでなく、さらに活性化を図りたい場合に効果的です。
※これらは、TUNAG活用例のうちの一部となりますので、お客様の課題に合わせて運用方法は様々です。
社内SNSの導入はあくまでも手段
社内SNSを導入することで、コミュニケーションのきっかけを創ることができます。しかし、コミュニケーションを生むことだけを目的にしてもいけません。
社内SNSを通して、どのような課題解決のためにコミュニケーションを生み出したいのか、どんなコミュニケーションを行ってほしいのか、そのやり方はさまざまです。
また、同じビルやフロアにいる場合は、対面でのコミュニケーションを心がけることも重要です。リアルとアナログのコミュニケーションの双方が盛り上がるようなSNSの導入ができると理想的なのではないでしょうか。
▼『TUNAG』について
『TUNAG』では、会社として伝えたい理念やメッセージを、「社内制度」という型として表現し、伝えていくことができます。
会社様ごとにカスタマイズでき、課題に合ったアクションを継続的に実行できるところに強みがあります。
「施策が長続きしない」「定着しない」というお悩みがございましたら、「現在のお取り組み」のご相談を無料で行っておりますので、お問い合わせください。