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同一労働同一賃金とは?企業が行うべきことや効果、施行時期について

同一労働同一賃金とは

正社員と派遣社員などとの間にある不合理な待遇差を無くすために作られたガイドライン

「同一労働同一賃金」は、正規か非正規かという雇用形態に関わらず、待遇を均等・均衡にする目的を持った厚生労働省が発行したガイドラインです。

2018年6月の働き方改革関連法の成立により、「同一労働同一賃金」も実施予定でしたが一年間延期になり、大企業では2020年4月より、中小企業では2021年4月より適用する事になりました。延期の理由は、賃金改定など企業側の運営を考慮しての事ですので、実施にはそれだけ負荷がかかる事が予想されます。

現状、日本の終身雇用制度が非正規社員の増加を招いたとも言われており、2016年には日本全体の非正規労働者数が2,000万人を超え、労働者全体の37.5%を占めています。

また賃金を時給換算すると非正規社員の時給は正規社員の時給の約7割とも言われており、福利厚生や研修制度などについても大きな格差が生じています。

また、同一労働同一賃金はあくまでもガイドラインのため、法的拘束力はありません。しかし、ガイドラインにはかなり具体的な実例が示されており、今後の法改正に向けての取り組みである事が伺えます。

参考:同一労働同一賃金特集ページ – 厚生労働省 –

背景

欧州では、1900年ごろから性別や人種に関わらず同じ賃金を支払うべきと叫ばれており、現在でもドイツやフランスなどEU諸国ではこのような考え方の雇用制度が普及しています。

例えば、フランスでは職務に応じて賃金が決まりますが、日本では終身雇用や年功序列の制度が残っており、また同じ職務を遂行できる能力があったとしても企業間で給与の格差もあります。

今回、EUの成功事例を元に日本でも展開したいと考えた政府が、日本の雇用形態にも適したガイドラインを策定しました。

対象となる「非正規雇用労働者」とは

正規雇用労働者とは、期限の定めがない契約を結ぶフルタイムの労働者の事を指し、具体的には正社員や無期転換したフルタイム労働者が該当します。

非正規労働者とは、有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者が該当し、この非正規雇用で働く労働者の労働改善、同一賃金同一労働制度による対象者となります。

非正規労働者が正規雇用労働者と同一の労働をした際は、賃金も同一にするという事です。

分かりにくいので簡単に説明すると、契約社員などの非正社員が正社員と同じ業務をしていた場合は同じ給与や待遇にしましょう。といった内容になります。

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「不合理な待遇差」がどう改善されるのか?

正社員と非正社員の間に生まれている待遇差がしばしば問題になっていましたが、同一労働同一賃金が実施されるとどう変わるのか考えてみましょう。

今持っているスキルが正当に評価される社会に

勤続年数の長さ、年齢、雇用形態が関係なく同一待遇になります。「正社員だから」、「長く働いているから」などで、優遇されなくなることになります。社歴ではなく、これまでの経験やスキルが評価される、より実力主義の社会となっていきます。

今回はあくまでもガイドラインですが、今後欧州のように法改正が進むと、なぜ賃金格差があるのかを説明する責任が生じます。合理的に説明が出来ない場合は、企業側が賠償責任を負う事も決められています。

同一労働同一賃金ガイドライン案とは

今回、厚生労働省は欧州で実施されている同一労働同一賃金をベースにガイドラインを策定しました。

法的な制度ではありませんが、今回の実施を踏まえて法整備を整えていくとガイドラインに明記されています。今のうちから理解しておきましょう。

厚労省が策定した雇用格差をなくすための基準

同一労働同一賃金は、正規か非正規かという雇用形態にかかわらず均等・均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に向けて厚生労働省が策定したものです。同じ内容の仕事をしていれば雇用の形態に関わらず同一賃金・待遇にするとう内容です。

例えば同じ仕事内容の正社員とパートタイマーでは賃金はもちろん、待遇も異なるところが多いのが現状です。こちらのガイドラインでは、以下のような内容が示されています。

・仕事内容が同じなら賃金・待遇も一緒にすべき。
・仕事内容は同じだが転勤の有無や責任の重さなどが異なる場合では、それを加味して均等に賃金を

あくまでもガイドラインのため、法的な制度ではありませんが、一部の大手企業ではガイドラインの実施に向けて給与テーブルの改定など準備を進めています。

企業が取り入れることによる効果

これまでの話では、従業員を守るためのガイドラインですので、企業側はメリットをあまり感じにくいかもしれません。

非正社員のパフォーマンス向上の他にも、リストラクチャー(人員の再構築)の意味でもこれまで無駄にかかっていた人件費を抑える事が期待できます。

1.非正規雇用の労働者のパフォーマンスが上がる

非正規労働者にも労働に対する指標が明確化されることは、非正規労働者のパフォーマンス改善につながります。

正社員との待遇格差の理由が明示されると、自分が足りない部分に対してのスキルアップをして正社員雇用に向けてのキャリアアップも考えやすくなるなどの効果が期待できます。

さらに、自ら時短勤務や週に数回の勤務を希望し、フルタイムでの勤務が難しい場合でも、「正社員と同じ仕事をしているにに給与が安い」などの不満を減らす要因にもなります。

労働者にとって賃金は「正当な評価」と感じられてこそモチベーション向上にも繋がります。納得のいく賃金を与えられることは、能力を認められたという承認欲求を満たすことにもなり、仕事への満足度を高めることになります。

2.給与テーブルの見直しで無駄な人件費を削減

正社員と非正社員の格差が生じるケースでは給与テーブルの見直しを迫られます。その社員が働きに見合った給与になっているかを改めて見直す必要がでてくるのです。スキルや能力に見合った給与の算出ができ、無駄な人件費を削減できます。

3.従業員にとっては給与の改善などのメリット

非正規社員であることを理由に給与が抑えられることがなくなるため、給与額が改善される可能性があります。また、能力で評価されるようになれば、スキルや経験があればチャンスが広がります。

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企業が行うべきこと

同一労働同一賃金を実施するにあたり、企業側もどう対応すべきかを検討しなければなりません。特に人手不足の昨今では、人件費が高勝することなども予想されます。

正社員と非正社員の仕事区別を明確にする

同一労働同一賃金は同じ業務であれば同一賃金を支払う事になりますが、職務内容に違いが生じていれば、違いに応じた賃金を支払う考え方になります。そのため、正社員と非正社員の業務内容を明確にし、比較ができるようにしておきましょう。

賃金に違いが生じた場合、非正社員に対して論理的な説明ができるようにしておけば、納得度も高くトラブル防止にもつながります。

人件費の算出

同一労働同一賃金が実施されると人件費の高勝が予測されます。

例えば、パート従業員や派遣社員が正社員と同じ福利厚生・給与水準になってしまった場合、限られた予算内で人員を調整する必要が出てくるケースもあると思います。

またこれまでは、人員の調整をするに当たっては派遣社員などの非正社員で調整してくる風潮がありました。今回のガイドラインでは派遣切りについては触れられていませんが、人件費が上がれば、そのしわ寄せはどこかにきます。

これからかかるであろうコストを算出したり、場合によっては人員の再構築が必要になるかもしれません。

正社員の賃金、待遇についても検討する

日本郵政グループでは今年の10月より同一賃金同一労働に向けて、正社員のうち約5,000人の住居手当を廃止する意向を発表しました。政府の意向では非正社員の雇用環境の改善でしたが、その場合はどうしてもコストがかかってしまいます。

今回の日本郵政グループのように正社員の待遇を下げざるを得ない状況になるケースもあると思いますが、急に改定してしまうと社員の生活にも影響が出るので段階的に実施をするなどで調整している企業もあります。

キャリアアップ助成金の検討

非正規から正規雇用にした際や、健康診断などの福利厚生、賃金アップなどをした際など、労働条件が改善されるケースではキャリアアップ助成金を受け取れる事もあります。

参考:キャリアアップ助成金 -厚生労働省 –

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まとめ

同一労働同一賃金は、日本で実施するにはまだまだ課題がたくさんあります。しかし、雇用形態等の差で必要以上に扱いの差を出すのではなく、「会社に貢献してくれている人は平等に評価していきましょう」ということ自体は、おかしい話ではありません。

働き方や仕事内容に違いがあったとしても、同じ会社で働く従業員であることには変わりありません。働く方へのエンゲージメント向上はその後の企業の業績の向上や離職者の防止に貢献するといえます。

欧州ではスキルに対して賃金の相場が決まることが多くありますが、日本では同じ職種・業界でも企業によって賃金に幅があります。今回は欧州をモデルに作られたガイドラインですが、日本独自の雇用体系に沿った組織づくりを運営していく中で考えていく必要があるのかもしれません。

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正規雇用、非正規雇用にかかわらず、会社で働く人のエンゲージメント向上が今後企業の組織力の強化やサービス・商品の競争力につながっていきます。賃金や待遇の見直しだけでなく、会社と従業員、従業員同士の関わりも見直す機会なのではないでしょうか。

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