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勤務間インターバル制度とは?
導入事例3選と共に解説

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勤務間インターバル制度とは?

ワーク・ライフ・バランスの確保

【勤務間インターバル】とは、労働者が勤務時間終了後に一定時間以上の休息時間を取ることで、プライベートな生活時間や睡眠時間を確保するといったものです。

2018年6月に成立した<働き方改革関連法>に基づき<労働時間等設定改善法>が改正され、事業主の努力義務として前日の終業時刻から翌日の始業時刻までの間に、一定時刻の休息を確保することが決まりました。(2019年4月1日施行)

労働者の健康やワーク・ライフ・バランスを保ちながら働くことができるようになるものとして、今後の動向が注目されています。

導入の背景

労働者の長時間労働や健康被害が近年多く報道されるようになる中、労働時間短縮に向けた施策が行われるようになってきました。

2005年には<労働時間等の設定の改善に関する特別措置法>(労働時間設定改善法)が改正され、労働時間の短縮だけではなく働き方や休日の設定など、労働者のプライベートな生活や精神的健康面への取り組みも進みました。

これによって日本の年間総労働時間は減少傾向に見られたものの、世界各国、特にヨーロッパ諸国と比較すると、依然として長い労働時間を有しています。

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働き方改革関連法にて、平成31年4月1日から努力義務化

企業規模を問わず、努力義務化されます

政府は<1億総活躍社会の実現>に向けて働き方改革を重要視し対策を進めていますが、同時に長時間労働の是正についても明言化しています。

2005年に改正された<労働時間等の設定の改善に関する特別措置法>(労働時間設定改善法)により、1980年には2100時間を超えていた年間総労働時間は2010年には1733時間まで減少され、年々日本の労働時間は短縮されてきました。

しかし現実には、長時間労働による健康被害や過労死などの社会問題が後を絶たないことから、政府は労働時間の是正だけではなく、働き方そのものを改正するために<働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案>(働き方改革関連法案)を打ち出しました。

働き方関連法案は労働基準法やその他の主に7つの関係法を改正していく改正法案で、基本的な考え方は以下の3つの大きな柱から成り立っています。

・働き方改革の総合的かつ継続的な推進
・長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等
・雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

特に2つ目の柱である<長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等>では、労働基準法や労働安全衛生法、労働時間等設定改善法において様々な改正が行われています。

その中で<勤務間インターバル制度の普及促進等>が明記されており、前日の終業時間と翌日の始業時間との間に一定時間以上の休息を確保する事を、企業規模を問わず2019年4月1日より努力義務化する事とされています。

現状の導入状況

まず現在の導入状況ですが、平成29年就労条件総合調査によると、長時間労働の改善策として注目されている勤務間インターバルを「導入している」はわずか1.4%に留まっており、「導入の予定もなく検討もしていない」は92.9%を占めているのが現状です。

導入の予定もなく検討もしていない企業の理由で最も多いのが「当該制度を知らなかったため」の40.2%となっており、まだまだ制度の認知度が低い現状を表しています。次いで38.0%と多かったのが「超過勤務の機会がすくないため、制度導入の必要性を感じないため」です。

まだ始まったばかりの制度であるため「知らない」「必要ない」という理由は現時点ではやむを得ないと思えますが、間もなく2019年4月から法律として施行され全ての企業に努力義務が課せられます。

勤務間インターバル制度の導入方法・ステップ

就業規則内に勤務間インターバルの内容を入れ込む

いち早く勤務間インターバル制度を導入した【ユニ・チャーム株式会社】を例に挙げてみます。2017年1月から制度を導入した同社では、全社員を対象に勤務間インターバルを最低8時間、努力義務として10時間という時間を就業規則内に明記しました。

就業規則に明記したので、インターバル時間が守れない場合は就業規則違反ということになりますが、特に罰則等は設けず、上長の管理責任という形で指導を強化しています。

時間管理方法をルール化

具体的な導入方法及び時間管理方法としては、勤務表を改定しアラーム機能を導入することで、インターバル時間が守られない場合にはパソコン画面にポップアップで警告メッセージが表示されるようにしました。

これにより時間を意識した働き方ができるようになるとともに、会社の取り組みへの本気度を表すことができます。

同社では勤務間インターバル制度を導入することにより、社員一人ひとりが健康でいきいきと働くことができ、結果生産性の向上や、より優秀な人材を集めることができると考えています。

目的とルールの周知を

とはいえ、一方的に制度を導入し、ルールで従業員を縛るだけでは、一見運用されているように見えたとしても、従業員からの不信感や、モチベーション低下につながるリスクは拭いきれません。

なぜこの制度を入れるのか、どういった職場の姿を目指しているのか、そこからしっかり従業員に伝えていくことが重要です。

助成金について

職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース)の申請は2018年12月で終了しております。

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勤務間インターバル制度を取り入れる企業事例

始まったばかりの制度であり、まだまだ実際には認知度が低いことや必要性が浸透しきれていない部分もありますが、実際に勤務間インターバル制度を導入し成果を出している企業も多数あります。ここでは勤務間インターバル制度を導入した企業の事例をご紹介します。

・株式会社スリーハイ

工業用・産業用ヒーターをニーズに応えながらオーダーメイドで作っている株式会社スリーハイ。

ものづくりのクオリティを高めていくために従業員の満足度を高め、モチベーションを上げていくことが必要だと考えていました。

勤務間インターバル制度を導入する以前の同社では、残業に関しては事実上野放し状態だったそうです。

掲示板に退社時間を記載したり、休日出勤の際は事前申告をルールにしていましたが、繁忙期になってしまうと納期最優先の現場となり、だんだん残業や休日出勤が当たり前となり、申告しなくなってしまうのが現状でした。

そこで2018年3月に勤務間インターバル制度を導入し、社員全員を対象にインターバル時間を9時間に設定しました。同社では全員参加の朝礼が8時半に始まるので、逆算してどんなに遅くても23時には退社することを制度に組み込みました。

勤務間インターバル制度を導入してからは社員の意識も大きく変わり、残業も少なくなったとのこと。

また業務の<見える化>が進んだことも導入したことによる効果の一つです。時間を意識して働くようになったため、月1回の部門会議を開き誰がどれくらいの仕事を持っているのかを確認するようになりました。

そして各人の仕事を調整することで稼働をならしていくと、意外と残業しなくても大丈夫なことに気付くことができました。今後は勤務間インターバル制度の導入で進んだ業務の<見える化>を更なる働き方改革につなげていきたいと考えているそうです。

・株式会社東邦銀行

働き方改革を実施し、多様で柔軟な働き方を実現するために、株式会社東邦銀行は2016年8月にフレックスタイム制と勤務間インターバル制度を同時に導入しました。

制度導入前より同社では健康管理や長時間労働を抑制しようという意識がすでに浸透している状態ではありましたが、さらにワーク・ライフ・バランスを考慮した働き方を推進するためにフレックスタイム制と勤務間インターバル制度を同時に導入しました。

インターバル時間は11時間で、全社員が対象となっており、勤務間インターバル制度はフレックスタイム制を補足するものとしての位置づけです。

そのため、勤務時間の調整に関してはフレックスタイム制の働き方が尊重され、インターバル間隔については従業員の自主性に委ねられています。

ただ月間の所定労働時間が決まっており、それを超えないように管理することが求められるため、11時間のインターバルを取らない連続勤務は逆に難しいのが現状です。

また、フレックスタイム制を活用し自由に勤務時間が決められるからといって、長時間労働になってしまっては意味がないため、勤務間インターバル制度も併せて導入することで、長時間労働にならないような企業文化を組織全体に植え付けながら、健康管理への意識を高めてもらう狙いもあります。

制度導入の効果としては、2014年上半期と2017年上半期の時間外・休日労働時間を比較してみると52%も減少したことです。

勤務時間が減少したことで余った時間を自己啓発や勉強に活用する従業員も増えました。また多様で柔軟な働き方そのものが就活生にもアピールポイントとなり、人材確保にも大きな効果があるのではないでしょうか。

・株式会社岩田屋三越

勤務間インターバル制度を導入した目的は従業員の健康管理でした。疲れた表情では接客業は務まりませんので、しっかりと睡眠をとり笑顔で元気に働いてもらいたいとの考えから、株式会社岩田屋三越では2010年10月よりすべての職種を対象に10時間の勤務間インターバルを導入しました。

また導入から7年が経過し、多様な働き方が可能な職場を実現するために2017年4月より勤務間インターバル時間を11時間に拡大し、従業員がオンとオフの切り替えを明確にできるようにしました。

クリスマスや年末年始、決算期などの繁忙期には勤務間インターバルをどうしても確保できない時がありますが、特に罰則などは設けておらず、売り場の責任者が勤務時間を把握し、勤務間インターバルを確保できなかった翌日には所定時間内に退勤させるなどの調整を行っています。

勤務間インターバルの拡大と並行して行ったのがシフトの固定化と勤務時間の厳守です。それまで長時間労働の大きな要因だったのが、早番シフトの従業員が閉店まで残ってしまうことでした。

そこでシフトを固定し役職者は遅番、それ以外は早番に固定することで、遅番の翌日に早番で出社することが無くなり、残業時間の減少を図りました。

この取り組みにより、社員一人当たりの一日の実労働時間が2016年は平均7.45時間だったのに対し、11時間のインターバルを導入後の2017年は平均6.65時間と大きく労働時間を短縮することができました。

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時間をかければ成果が出る時代から変化している

働き方への価値観の多様化も進み、対応が迫られている

高度経済成長期をはじめ、これまでの日本を作り上げてきた会社や仕事への考え方は、いかに時間的貢献をするかという企業戦士的な思考が多くあり、多くの社会人たちはプライベートよりも仕事を重要視してきました。

しかし今、ワーク・ライフ・バランスが見直され、働き方を考える時代へと変化を求められています。

勤務間インターバル制度は、労働者の健康を守り、社会問題となっている過重労働から脱却していく有効な方法ですが、まだまだ始まったばかりの制度であるため、導入時には事前に検討しなければいけないことが多くあります。

最も有効な導入方法や自社の従業員の満足度を上げる活用方法は企業によって様々であるため、その企業にあった導入方法をしっかりと検討したうえで積極的に取り組んでいくことが今後期待されます。

参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html

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