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HRコラム

サマータイムで企業は何を準備すべき?
メリットとデメリットとともに解説します

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サマータイムとは?

夏季にの間、1時間早めて時間を調整すること

日の出が早くなる夏季の間、時計の針を1時間早める事で日照時間を有効的に使う事を目的とした施策です。サマータイムは日照時間が短い欧米諸国を中心に既に60ヶ国以上で導入されています。

サマータイムの期間は国によって異なる

サマータイムの期間は国によって様々です。

北米(アメリカ・カナダ・メキシコ)では3月2週目の日曜日から11月1週目まで。
ヨーロッパでは3月最終週の日曜日から10月最終週の日曜日まで。
アメリカではサマータイムを実施している州としていない州が混在しています。

また季節が反転する南半球でも実施されています。

オーストラリアでは10月最終週の日曜日から翌年3月最終週の日曜日まで。
ニュージーランドでは9月最終週の日曜日から翌年4月第1週の日曜日まで。

地域によって日の出のタイミングも異なりますが、3月から11月くらいまでをサマータイムとして実施している国が多いようです。

日本におけるサマータイム導入について

2020年に向けて検討されていたが、実施が見送られています

日本はサマータイムの導入をしておりませんでしたが、2020年のオリンピックに向けて導入が検討され始めました。

オリンピック期間中にサマータイムを実施する事で、涼しい早朝から競技を開催する事が可能となり、競技者の肉体的・精神的な疲労が軽減されます。熱射病からも守る事ができ、競技者だけでなく観客の健康リスクも担保されると考えられました。

しかし、これまでサマータイムを導入してきた欧米諸国と異なり、日本で使われているあらゆるシステムは、サマータイムに対応できるような設計がなされていません。

日本の全ての時計を春に1時間早め、秋になったら戻すという運用は、大掛かりなシステム改修が必要となるため、経済団体から反対の表明がありました。

実際にサマータイムを導入してきた欧米諸国でも、一部の国で廃止を検討する動きが拡大している事もあり、政府は2020年の実施を見送っています。

サマータイム導入のメリット

暑さ対策になる

地球温暖化やヒートアイランド現象など、日本の夏は年々酷暑が増しています。最も暑い8月では日中35℃を超える日も多いですが40℃を超える酷暑日になる事も。

一方で25℃を超える熱帯夜が続く事もありますが、夜間の最低気温は25℃前後と暑さも落ち着きます。サマータイムの導入で、気温が完全に上がりきる前の朝の涼しい時間から活動を開始できるようになるメリットがあります。

通常では12時から14時頃が暑さもピークを迎えますが、13時から15時がピークとなるため午前中を有効に使う事ができます。朝の時間をずらした事で「夕方の帰宅ラッシュが暑いのでは」と懸念する見方もありますが、ピーク時よりは落ち着いた時間帯に該当するため効果があると考えられています。

二酸化炭素の排出を抑制する

低炭素社会とは、温暖化防止に向けて二酸化炭素の排出を抑止する経済活動を意味します。現代人は車や電気などを通じて、多くの二酸化炭素を排出しています。

サマータイムを導入する事で、エアコンの使用率を下げるなど、低炭素社会に向けての取り組みを進めることができます。事業所や家庭でのエアコンの消費量が削減されるだけでも大きな削減効果が期待できますが、通勤時に使う電車や車のエアコンの温度にも効果が見込まれています。

個人消費の拡大

日照時間を有効活用する事ができるため、就業後の外食や買い物など個人消費も期待されています。個人の消費が拡大されれば景気も活発になり、国策としてもサマータイムが期待されています。

サマータイム導入のデメリット

労働時間の増加

サマータイムの導入により、日照時間を長く使える事は就業後のプライベートの時間を有効活用でき、メリットとして挙げられる反面で労働時間が長くなる懸念があります。

特に残業が定着している日本では、明るいうちは帰りにくいと感じる人も多いでしょう。サマータイム導入前より朝早く出勤しても帰宅時間はこれまでと変わらないなど、悪循環を招く可能性があります。

実際、過去に日本でもGHQ指導の元、1948年に5月2日から9月11日にかけて導入された経緯がありました。しかしながら残業の増加や寝不足などの理由から1951年には廃止されています。

残業時間に関しては大手企業を中心に厳しくなってきましたが、サマータイム導入によって労働時間への影響は懸念されています。

システム改修のコストがかかる

個人で使用しているパソコンや時計は簡単に変更できますが、日本中の全ての時計1時間早める事は容易ではありません。

日本で稼働している全てのサーバー、商業施設などで使われているレジ、電車・病院・学校・役所など公的機関で使われている時計……など、対象となるシステムの改修を挙げればきりがありません。

導入に伴い対象となるシステムの洗い出しから始まり、改修内容の検討、システム修正、テストなどを繰り返し、事故が起こらないように徹底する運用はアナログ時計を1時間早めるのとは訳が違います。

また、一般的にシステムエンジニアが不足していると言われている状況を考えると、サマータイムの導入は企業運営にとっても大きな負担になると言えるでしょう。

健康への影響

2017年の欧州会議のレポートによると、サマータイムの実施により注意不足による事故、心臓病や流産のリスクが高まるなどの研究報告を紹介しています。

日照時間が長い恩恵を受けるのは一見良い事のように感じますが、朝早く起きて夜遅くまで活動する事に繋がり、結果として日常生活でも注意力が散漫になってしまうとの事です。

また、米国の研究によるとサマータイムを導入した週は、心臓発作での入院が25%も増加した結果を報告があがっています。

これらの結果やこれまでのサマータイムの運用経験に伴い、ドイツやフランスなどでも廃止を望む世論が拡大し、実際に廃止の方向で検討している国もあります。

サマータイムが導入された場合の企業の対策

改善が必要となるシステムの洗い出し

実際にシステム改修が必要となる範囲は業種によって異なりますが、時刻に関して管理しているシステムを全て改修しなければなりません。パソコン、サーバー、機械など時計が付いている電子機器は業務で利用している事も多くあると思います。

そのほかにも医療機関や金融機関などもミスが許されない業種です。サマータイムの導入が決定するとエンジニアの負担も多くなることが予測されます。

正確な労務管理

全国的にサマータイムの導入が決まればニュースにもなりますが、全従業員に開始時期と終了時期に関する告知をした方が良いでしょう。

開始される認識がなければ遅刻する社員が続出してしまいますので、「週明けからサマータイムです」など全従業員が必ず目にする方法で伝達しましょう。

また、明るい時間が増えると残業している意識が薄れ、勤務時間が長くなる可能性があります。そのため、実際の勤務時間を把握し、オーバーワークにならないよう労務管理も忘れずに対応しましょう。

健康管理のフォロー

欧米のレポートによると心臓病や流産のリスクが高まるとの結果も出ています。また活動時間が長くなる事により注意力も散漫になりがちです。

注意力は業務中のミスや大きな事故にも繋がりますので、人事労務担当としてこれまで以上に従業員の健康管理も求められます。

サマータイム導入には入念な準備が必要

担当部署の方は事前の情報収集を

サマータイムの導入にはメリットもある反面、既に導入されている欧米諸国ではデメリットとして感じている人が多いのも現状です。政府が導入を決めた場合は、これらを踏まえて運用していく事が企業側にも求められます。

2019年の現状では導入が見送られていますが、今後また導入が検討される可能性もあります。導入が決まってから慌てないように、システム構築時など頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。

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