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人手不足の背景とは?必要な対策は「社員が辞めない会社」づくり

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人口減少にともない、人手不足があちこちで聞かれるようになりました。これから企業では採用の難化がすすみ、優秀な人材の獲得だけでなく、必要な労働力自体の確保も難しくなることが予想されています。

そのような人手不足に対して、企業は何をしなければならないのか、どのような対策が求められるのか、経営において大切にしなければならない視点などをご紹介していきます。

なぜ現在人手不足なのか?その背景

1)人口の減少

まず、人手不足の根本になる“人口”が減少しています。日本の人口が減少することにより、生産年齢人口(15歳〜64歳)が減少します。2017年の内閣府の資料によると、2030年にかけて、生産年齢人口の減少が加速すると予想されており、これから働き手がどんどん減っていくことが明確になっています。

参考:http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0125/shiryo_04-2-3.pdf

2)求人に対して採用ができていない

東京商工リサーチの2017年「人手不足」関連倒産の調査によると、2017年は「求人難」型の人手不足関連倒産が前年より2倍増で推移していることが分かりました。

帝国データバンクの調査によると、正社員が不足していると回答した企業は51.1%と、過去最高水準で推移。「求人をかけても応募がない」「人員確保が難しくなってきている」という声も上がっているとのこと。

平成30年4月の有効求人倍率は1.59倍となり、この数年連続して上昇しています。バブル期の1990年度は1.43倍であったということに比べると、現在の日本の企業は現在人を採用したいという状況にあります。

それにも関わらず、正社員が不足していると回答している企業が増えているため、求人に対して人が採用できていない現状があるということが考えられます。

参考:株式会社東京商工リサーチ「人手不足」関連倒産(2017年)

参考:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」(2018年1月)

参考:一般職業紹介状況(平成30年4月分)について-厚生労働省-

3)賃金が上昇していない

求人が増え、人が足りない状況になると、一般的には賃金も上昇すると考えられています。しかし、厚生労働省が発表している、物価上昇率を考慮した“実質賃金”では、1996年頃をピークに減少傾向が続いています。

この理由として考えられるのは、非正規雇用が拡大していることも考えられます。(厚生労働省の資料によると、非正規雇用労働者数は平成6年から緩やかに増え続けています。)

ただ、本来であれば正社員を雇用し、賃上げをしたり、非正規雇用の方を正規雇用に切り替えるという形が進んでもよいはずなのですが、現状、下記のグラフを見る限り、正社員の人数は増加傾向にありません。

人手不足にも関わらず、従来と同じ条件で求人を出し、賃金の上昇に踏み切れていない企業が多いということも考えられます。

ただ、賃金が上がらない理由は様々な要因が絡み合い、業界ごとにも異なるため、一概に言うことはできません。

参考:「非正規雇用」の現状と課題-厚生労働省-

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人手不足が深刻な業界、職業

一番人手不足が深刻な業界は「情報サービス」

帝国データバンクの人手不足に対する企業の動向調査によると、業種別では「情報サービス」が74.0%で1位。以下、「建設」や「運輸・倉庫」「メンテナンス・警備・検査」など8業種が6割台となっています。

人手不足企業が60%以上の業種は、3カ月前より増加し、全体としての人手不足感は広がりを見せています。

参考:人手不足に対する企業の動向調査(2018年1月)-帝国データバンク-

人手不足から起こること

倒産、経営悪化

人手不足から起こるものとして、倒産があげられます。人手不足関連倒産は横ばいで推移しているものの、先程紹介したように、求人難型は増加しているため、今後の動向が注目されます。

また、受注、案件はあるにも関わらず人手が足りないことが原因で売上が低下するケースもあります。実際に、帝国データバンクの調査でも、や「人手不足が深刻で、人件費の高騰や欠員対応など、仕事はあるが新たな仕事を取れる状態にない企業も多い」(ビルメンテナンス、高知県)との回答があります。

自動化(AI)システムや設備投資の需要の増加

人手が足りないことで、できる限り業務を自動化していかざるを得ない状況になる企業もでてきます。

実際に、帝国データバンクの調査には、「人手不足等の影響もあり、自動化システムや検査装置などの設備投資の需要は旺盛だと感じる」(ソフト受託開発、神奈川県)との回答が寄せられています。人手不足により、新しい需要が生まれる業界もでてくると考えられます。

人手不足対策

労働環境の改善・賃金、雇用体系の見直し

離職の原因、採用難となる原因の一つに労働環境が悪いことがあげられます。長時間労働やサービス残業などは早急に改善が必要です。また、有給休暇が取得できない、パワハラやセクハラが横行しているなど、現場で是とされている職場風土の見直しも行わなければなりません。

また、非正規雇用者が正社員とほぼ同じ仕事をしているにも関わらず、賃金に差があるという点も問題になっています。

雇用形態と実際の業務の実態に差が無いようにすることなど、抜本的な労働環境自体の見直しが必要です。もし、このような現場の状況を経営層が把握していないとなると、なおさら自体は深刻だといえます。

生産性の改善

現場の従業員が行っている業務が、売上を上げていくためにベストな状態なのかを見直すためには、生産性を重視した経営を行うことが必要です。

業務の効率化を図ることはもちろん、設備投資や業務効率化をはかるためのシステム導入は積極的に検討すべきでしょう。

また、生産性が上がらない原因には、人事評価制度に課題があることも。どれだけ貢献しても評価されない、不明瞭な評価制度であれば、従業員のモチベーションは下がり、事業の成長も見込めなくなるでしょう。

サービス料、商品価格の改定による利益改善

競争の激化により、サービス料や商品価格の値下げを行い、利益の出にくい事業になっている場合は、サービス内容や商品の価値を見直し、改めて価格を設定しなおすことも一つです。

しかし、その価格に見合った価値が提供できるかどうかという点も重要ですので、経営者による慎重な決断が求められます。

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離職と採用費をおさえるためには、従業員エンゲージメント向上を

人手不足を防ぐには、まず離職率を下げ、従業員エンゲージメントを高めましょう

人材の流動化が進んでいる中、従業員が長く働いてくれるとは限らない世の中になりました。ほとんど人が辞めないという会社や、やむを得ない退職を除き、会社として本来は長く働いてほしい人が辞めることの無いようにしていきたいものです。

人材採用が困難化すると、採用費も高騰します。離職者が増えると、採用人数も増えることになることが多いため、採用費がさらに増加します。

企業として会社で活躍してほしい人が辞めない会社にするには、従業員のエンゲージメントを高め、定着率を高める施策が必要です。この施策は、短期間で改善されるものではありません。何年もかけて、少しずつ改善していく必要があります。

【関連記事】社員の離職を防ぐ「リテンションマネジメント」の施策とは? 〜青山学院山本教授インタビュー(前編)〜

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