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HRコラム

ノーレイティングとは?
メリット・デメリット、導入企業事例を解説

ノーレイティングとは?

数値やランクでの評価に変わる“新しい評価方法”

ノーレイティングとは数値やランクによる採点を付けない評価方法です。レイティングとは語源であるrate(評価)から来ており、数値やランクにより評価をする事を意味します。

つまり、ノーレイティングはレイティング(評価)をしないという事を意味し、ランクによる評価をしない人事評価制度になります。

しかしながら、決して全く「評価をしない」という事ではありません。数値やランク付けによる評価をしないという意味で使われています。

ノーレイティングとして導入されるレイティングに変わる評価方法は、上司との面談や社員同士との対話などコミュニケーションによる評価方法をとっているところが多いようです。

注目された背景

ノーレイティングが近年注目されている理由は、これまでの人事制度がうまくいかない、または限界を感じている企業が増えてきているためです。

これまでの人事制度では、社員のモチベーションの低下を招くことがあり、他の方法を探す企業が増加しているのです。

その要因としては、

・評価制度自体が上司の主観が入るなど不透明な部分がある
・自分が描いていたキャリアパスと全く異なる課題に対してやる気が起きない
・評価の中身に外的要因が見えにくい点

などがあげられます。

例をあげると、C評価だった理由が「怠けていたから」という事もありますが、為替相場や経済状況など「自分ではどうにもならない外的な要因が原因だった」のかもしれません。

どちらの場合も、目標に対して未達という意味では、結果的にC評価になってしまいます。その理由が大きく異なるのに考慮されないということで、モチベーションの低下につながるケースがあります。

このような事情から、評価制度を大きく変える必要があると感じた外資系企業を中心にノーレイティングが広がり始めました。

また日本では年功序列から成果主義に変わってMBO(目標管理制度)が主流となっていましたが、こちらも外的要因への対応が難しい面があり、ノーレイティングが注目されるようになりました。

ノーレイティングのメリット

上司と部下とのコミュニケーション活性化

これまでのレイティングでの評価とは異なる評価制度を導入する事で、上司との対話を重視するためにコミュニケーションが生まれます。

MBOなどでは期末や四半期ごとなど一定の期間ごとに上司と面談をして評価する方法がとられていましたが、ノーレイティングでは評価日の設定はせずに、常日頃の業務を通じてフィードバックが行われるため上司と部下の密なコミュニケーションが生まれるのです。

納得のいく評価制度

上司と常に擦り合わせているため、双方で納得のいく評価になりやすいという特徴があります。

また、評価する側の立場では、これまでは相対評価で誰かに必ずC評価を付けなければならないなどのケースもあったかと思います。評価の決裁権がマネージャーなどに権限委譲することで、相対評価ではなく頑張ったチームは全員良い評価を出す事も可能となっています。

外的要因もリアルタイムで反映する事ができるため双方で納得のいく評価をつける事が可能となります。

リアルタイムの目標と市場ヘの迅速な対応

目標設定や行動目標なども状況に応じて随時変わる事もあります。期を待たずに都度フィードバックをもらえるため、軌道修正も含めて双方が納得のできる目標となるだけでなく、会社側にとっても外的要因にすぐに反応できるため生産性も上がります。

また同時に外的要因へも迅速に対応する事で被害を最小限に食い止めたり、また逆に利益を最大限に活かすチャンスを逃しません。マーケットへも迅速に反応できる事は、競合との競争力の面でも差別化に繋がるというメリットがあります。

ノーレイティングのデメリット

管理職への負担

期末などに面談を設けてランク付けを行う評価制度と異なり、上司と部下のコミュニケーションや信頼関係があってこそ成り立つ評価制度です。

そのために管理者はコミュニケーション能力などの人的資質に加え、メンバー一人一人との面談時間の確保など物理的な負担も増加します。

管理者のマネジメント能力が問われる

ノーレイティングではMBOシートのように決められた評価シートや評価方法がありません。そのため決裁権は管理者側に委ねられる事が多く、管理者側のマネジメント能力に依存してしまいます。結果として信頼関係がないと「正当な評価が受けられない」など部下の不満にも繋がりかねません。

マネジメント教育や管理能力の高い人選を行なったり、公平な評価制度の設計・構築が大きな鍵とも言えるでしょう。

現場の混乱

目標や目的を変えていくノーレイティングですが、頻繁に行われるミーティングの中でマーケットや市場に併せて目標をセットします。そのため、コロコロ変わる目標に対して、メンバーが混乱してしまう事もあります。

この点も、日々のコミュニケーションで解決していく必要があります。

ノーレイティングを取り入れる方法

評価制度の見直し

ノーレイティングを導入する事は、評価制度が大きく変わります。営業のインセンティブやボーナスなどの報酬に加え、昇進するタイミングなども変更する必要があります。

それに伴い、評価する側や昇進に際する決裁権が誰にあるのか、またどのタイミングで反映するのかなどを制度として制定します。

その他にも日本では管理職もプレイングマネジャーとして業務を行なっている事も多いため、ミーティング時間の確保やマネジメントなど管理職への負担についても検討する必要があります。

1on1ミーティング体制に向けての人材育成

1on1ミーティングとは上司と部下が1対1で定期的に行うミーティングを意味します。

MBOなどでは期末や四半期ごとなどに目標の進捗管理や振り返りなどを行う事が一般的でした。一方、ノーレイティングで行う1on1ミーティングでは、月に数回行いますが評価面談のような堅苦しい形式ではなく、お互いに自然体で話します。

またノーレイティングでは評価者である管理職の意識を変える必要があります。ミーティングの中では個人の伸ばしたいスキルやキャリア形成の方向性などを日常的にヒアリングする事でモチベーションの向上に繋がります。

しかしながら上司がヒアリングによって引き出せるコミュニケーション能力やマネジメント能力を持ち合わせているとも限りません。そのような場合は、コミュニケーション研修やセミナーなどにも積極的に参加させて終わりではなく、しっかりと部下とコミュニケーションが取れているのかを確認していく必要があります。

周囲の理解

現行の制度から何がどう変わるのか、そしてどんなメリットがあって導入を決めたのかなどの背景も含めて周囲へ通達をします。

また新制度ではミーティング時間が増えるため、双方の理解が得られないまま進めてしまうと負担だけを感じてしまい失敗に終わってしまいます。

ノーレイティングを導入した企業事例

実際にノーレイティングを導入して実績を挙げている事例をご紹介いたします。今回ご紹介するのは外資系企業ですが、実施に導入する際は日本の評価制度に併せて構築すると良いでしょう。

アクセンチュア株式会社

コンサルティング会社大手のアクセンチュアでは、パフォーマンス・アチーブメントというオリジナルの評価制度を実施しています。

この制度では、社員自らがキャリアに沿った目標設定を行い、その目標に対して会社としてできる事をサポートする形をとっています。

また、成長するために適切なフィードバックを受けて反映する事やコーチングへの参加、チームとの連携、リアルタイムでの成長の機会を与えています。

この他にも人材育成にも注力をしており、2017年度には9億3,500万ドルを投資し、1,800時間以上を費やし、ディープ・ラーニングの機会も提供しています。

参考:https://www.accenture.com/t20180529T062404Z__w__/us-en/_acnmedia/PDF-50/Accenture-Performance-Achievement-Credential-Web.pdf

アドビシステムズ株式会社

フォトショップやイラストレーターなどソフトウェア開発大手のアドビでは上司と部下のリレーションシップを通じて社員一人一人が成長する人事制度を構築しました。

ランク付けを廃止したり、給与などの決裁権をマネージャーが持つなど、従業員のモチベーション管理にも繋がりました。またキャリア開発ではマネージャーが部下の目標にサポートできるようツールも公開されています。

参考:https://www.adobe.com/check-in/toolkit.html

マイクロソフト

マイクロソフトでは働きがいを実感するために、社員一人一人が大きな裁量を持って業務を遂行しています。また、通常の業務に加え、2週間に1度の上司との面談で密な連携を取れる環境を構築しています。

また評価の仕組みも公開されており、社員がその内容を理解し、お客様・会社に対しての貢献度で評価や報酬が決まる制度を実施しています。

参考:https://www.microsoft.com/ja-jp/mscorp/diversity/default3.aspx

新しい評価手法で従業員のモチベーションやエンゲージメント向上を

制度は常に運用・改善を

ノーレイティングは従業員のキャリア形成やモチベーション管理には有用な手法と言われています。しかしながら上司と部下との信頼関係があって成り立つ制度でもあります。

導入時には管理者側の意識改革はもちろんですが、企業側も管理者への心理的・時間的な負担がある事を理解し、双方にとってベストな関係性が保てる制度を構築しながら運用してみてはいかがでしょうか。

エンゲージメント向上のための社内制度のプラットフォーム『TUNAG』について

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TUNAGでは、会社と従業員、従業員同士のエンゲージメント向上のために、課題に合わせた社内制度のPDCAをまわすことができるプラットフォームです。

会社の課題を診断し、課題に合った社内施策をご提案、その後の設計や運用のサポートまで一貫して行っています。課題の診断は、弊社の診断ツールを使い把握することが可能です。ツールと専任のコンサルタントの支援で、経営課題を解決に貢献いたします。

上司部下の信頼関係の構築のため、1on1の運用を行ったり、対話の機会を設ける仕組みを運用することができ、ノーレイティングの導入、運用にも貢献します。

経営理念や行動指針の浸透など、会社と従業員のコミュニケーションを円滑なものにするだけでなく、従業員同士でもコミュニケーション促進を行うことができます。

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