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HRコラム

ボランティア休暇とは?
制度設計のポイントや他社事例について

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ボランティア休暇とは

労働者がボランティアに参加する場合に付与される休暇

「ボランティア休暇」は、別名「社会貢献活動休暇」とも呼ばれます。労働者が無報酬で社会貢献活動に参加する場合、それを支援・奨励する目的で、必要な期間について付与される休暇です。

社員がボランティア活動への参加を応援することで、企業の社会的責任への取り組みの一環ととらえ、企業のイメージアップにつながるというメリットもあります。

また、社員も社外でのネットワークを構築したり、社会貢献を通じて成長できるため、企業にとってもメリットになるでしょう。

特別休暇の一つで、企業によって扱いが異なる

特別休暇とは、企業が独自に設ける休暇制度で、別名法定外休暇とも呼ばれます。有給休暇、育児休業、介護休業などは法定休暇と呼ばれ、労働基準法で定められている休暇です。ボランティア休暇はこの特別休暇の一つです。

特別休暇には、慶弔休暇、裁判員休暇などの一般的なものから、失恋休暇、誕生日休暇、など会社は自由に設定することができます。

参考記事:特別休暇とは?法定休暇との違い、種類や日数、有休扱いについて解説します

有給か無給かは会社側で決定する

特別休暇の場合、給与が発生するかどうかは、会社側で決定することができます。企業として、社会貢献活動への参加を促したい場合は、有給である場合が多いでしょう。

長期の休暇を認める場合は、休職扱いとして無給とするケースもあるようです。

ボランティア休暇の取得日数

導入企業によって、日程には多様性があります。1日という短期から、休職制度を活用して2年間という長期を認めるケースもります。また短期(休暇)・長期(休職)両方を認める制度を導入している企業もあります。

たとえば、「ボランティア休暇」では、1回あたり連続5日以内、年間10日以内の有給とし、同時に、「ボランティア休職制度」も実施し、最長1年以内の範囲で長期休職を認めている制度です。

ボランティア休職制度は無給扱いですが、海外でボランティア活動に参加するなど、短期では出来ない体験をすることができます。

長期休職後も、会社に戻れるというのは魅力ですし、社会貢献活動と、企業活動の両立が可能になり、社員にとってライフスタイルの選択肢が広がります。

ボランティア休暇が取り入れられた背景

90年代初頭から制度を設ける企業が増え始め、95年の「阪神・淡路大震災」では、市民ボランティアが活躍し、ボランティア休暇が見直されることとなりました。

“社員ボランテ ィア休暇を行った企業は 77社あり、既 にボランティア休暇制度のある企業23.7%に加え、 阪神・淡路大震災を契機に新設した企業4社、今回 限りの特別休暇を認めた企業 36社が見られた”

引用元;http://www.ues.tmu.ac.jp/cus/archives/cn17/pdf/58-09.pdf

また、2011年の東日本大震災も、ボランティア休暇が普及するきっかけとなりました。被災地支援に志願する人が増えていることに企業も対応し、ボランティア休暇を創設する動きがより一層広がりました。

例えばSMBC日興証券は、最大3日間のボランティア休暇制度を導入し、社内サイト上に、実際に震災ボランティア活動に参加した社員の体験談などを紹介する特設ページを開設するなどして、社員の参加を後押ししました。

ボランティア休暇制度を導入する場合

有給か無給かを決める

ボランティア休暇を取得した場合の、給与支給の有無を検討しましょう。有給の場合は、社員が参加しやすくなるというメリットがあります。

数か月~1年の休暇の場合は、無給のケースも多いようですが、富士ゼロックスなど、ボランティアに力をいれている企業は、2年という長期でも有給としているケースもあります。

企業の方向性、社員をどのように参加へ促すかというアイディアを複数検討し、有給無給を決定するのが良いでしょう。

取得できる日数を決める

取得日程は、短期の場合、最短1日から、3日、5日前後(土日とつなげることで最大9日間の休暇が可能となる)が目安のようです。

中期で14日間、長期では海外でのボランティアを想定し、1~2年という日数もあります。

短期と長期を組み合わせて導入している企業もあります。

取得できるタイミングや申請フローを明確に決める

ボランティア休暇を申請するタイミングを決めておくと良いでしょう。ほかの特別休暇でも、一般的に1カ月前には所属長に申し出るように規定しておくと分かりやすくなります。

ただし、繁忙期と重なる、仕事の納期が迫っている時期など、業務に支障が出る場合は、申請者と所属長で相談し、日程を変更できるか調整できる余地を残しておきましょう。

就業規則に記載する

導入する際は、就業規則に「ボランティア休暇」について明記しておきましょう。以下をご参考ください。

  • 申請方法

  • 申請可能な期間(何日前までに申請すべきか)

  • 取得できる日数

  • 有給か無給か

  • 活動後の報告を求めるかどうか

  • 翌年度に繰越可能かどうか

  • 勤続何年の社員が取得できるのか

ボランティア休暇を設けるメリット

会社のCSR(社会的責任)を果たせる

ボランティア休暇を設けて、実際に社員がボランティア活動への参加をすることで、企業の社会貢献活動が実現します。利益を追求するだけでなく、社会的責任を果たす企業としての好印象にもつながります。

地域活動に貢献して住民の方々とのつながりを強くし、日頃の企業活動への理解を深めてもらえることもあるでしょう。

公的なサポートが受けられる場合がある

ボランティア休暇は、社会貢献活動という性質上、公的な助成金などが付与される制度でもあります。東京都では、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催に向けて、「働く世代のボランティア参加」を広く呼び掛けています。

企業等におけるボランティア休暇制度の整備支援、従業員のボランティア活動への積極的な参加に向け、助成金制度を実施しています。助成金額は、定額20万円で、500社の企業を予定し、応募を募っています。

平成30年度の募集は終了してしまいましたが、平成31年度も実施される可能性があります。

参考元;https://www.hataraku.metro.tokyo.jp/hatarakikata/volunteer/joseikin/index.html

すでに就業規則にボランティア休暇の記載のある企業は応募することは出来ず、新規にボランティア休暇導入を検討する企業には、良い契機となりそうです。

ボランティア休暇の他社事例

富士ゼロックス

富士ゼロックスは、日本で初めてボランティア休暇を導入したと言われています。富士ゼロックスでは、1993年にという早期にボランティア休暇を導入しました。

月間5日まで積立休暇(使用期限が過ぎて失効した有給休暇が最高60日分まで積み立てできるもの)を利用して、短期のボランティア休暇を申請・取得することができます。

このボランティア休暇を使って、平日開催されるボランティアイベントへ参加する、被災地でボランティアとして活動する、海外キャンプへ参加するなど、社員の方々も有効に活用されています。

また、社会貢献活動に関して、会社からの従業員への情報共有も行っており、社内サイト「Leafxポータルサイト」を運営し、ボランティアへの意識向上や、様々な活動への参加を促しています。

富士ゼロックスは短期だけでなく長期のボランティア休暇も認めています。

“富士ゼロックスは、ソーシャルサービス制度に日本で初めて取り組みました。社会福祉施設や青年海外協力隊などにおいて社会奉仕活動をする場合、3ヵ月から2年の範囲でボランティア休職を申請し取得することができるもので、休職期間中は、給料・賞与相当額が援助金として支給されます”

引用元:https://www.fujixerox.co.jp/company/social/volunteer

株式会社二嘉組

株式会社二嘉組では、平成22年度から、年3日間(半日・時間 単位の取得も可能)の有給のボランティア特別休暇を導入しています。社員の方々はこの制度を利用し、地域の消防団の防災訓練、災害復旧等のボランティア活動、炊き出しなどの後方支援等に参加することができます。

消防団活動等、事前に日程が分かる場合は、3日前までに休暇願を提出します。また、緊急時の場合は、口頭で申出を行い、 後日休暇届を提出することも可能です。

全国的に消防団員数は減少傾向にあり、人数も少なく、個人の負担が大きくなっているといいます。災害への対策も含め、安心できる地域づくりのためにも、会社が休暇の取得しやすい環境をつくり、社員の方々の消防員活動が行われています。

ライオン株式会社

ライオン会社では、会社指定の活動への参加を支援する「ボランティア特別休暇制度 (最大年 55日)」と、社員が関心を持つ活動への参加を支援する「ボランティア一般休暇制度(積立休暇を利用)」を運用しています。

ボランティア特別休暇を利用して「ライオン山梨の森」で森林整備活動を年3回実施しています。間伐や植林を行い、放置されていた人工林の再整備を行いながら、地域住民の方々とも積極的に交流を図っています。

企業事例参考元:https://work-holiday.mhlw.go.jp/case/

休暇制度は活用されるように運用を

形だけの休暇制度は逆効果になることも

ボランティア休暇を導入する企業は増えています。導入するだけではなく、社内報やメールでの告知など、実際に社員の参加を促していくことが重要です。

制度の目的や、理想の活用状況を想定し、促進していくようにしましょう。

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