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高度プロフェッショナル制度とは?
メリット・デメリット、企業の対策を解説

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高度プロフェッショナル制度とは

「特定高度専門業務・成果型労働制」のこと

高度の専門的知識を必要とする職種において、「労働時間に関係なく成果で賃金を決めてもよい」という制度です。

これまでの労働基準法では、働いた時間に対する賃金の支払いを基本として様々な規定があります。

しかし、この高度プロフェッショナル制度では、一部の職種に対して、働いた時間ではなく“成果”により、賃金を決めることが認められます。

代わりに、従来の時間外労働・休日労働という概念がなくなるため、これらの対する賃金支払いはありません。

対象者は、高度な専門性を要する職種に従事していることと、規定以上の年収であることという条件を満たしている従業員が対象となります。

開始時期は2019年4月

働き方改革の1つとして、2019年4月より開始されます。様々な批判もあるのが現状ですが、働き方改革関連法案として2018年5月に可決しています。

参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000365015.pdf

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対象者について

対象となる職種

高度な専門性を要する職種とは、具体的にはどのような職種でしょうか。

厚生労働省によると、以下が想定されている職種になります。

・金融商品の開発業務
・金融商品のディーリング業務
・アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)
・コンサルタントの業務(事 業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)
・研究開発業務

高度な専門性を要する職種の代表格ともいえる、医師は対象には含まれていません。

この制度では、勤務時間にとらわれず成果を出す職種を対象としており、医師の場合は病院の開院時間にあわせた勤務が必要となるため、対象外とされています。

一定以上の年収があることが条件

職種だけでなく、一定額以上の年収があることも条件となっています。2019年現在では、1,075万円以上の年収の方が対象となります。この1075万円という数字は、日本の平均給与額の3倍以上を水準として算出されています。

高度プロフェッショナル制度実施の背景・目的

働き方改革の1つとして、多様な働き方を推進するもの

残業時間の上限規定や、有給休暇取得の義務化、フレックスタイムの見直し、同一労働同一賃金などを含む働き方改革関連法案のうちの1つとして、高度プロフェッショナル制度が可決されました。

勤務時間に縛られず多様な働き方を促進し、生産性を向上することを目的としています。

「ホワイトカラーエグゼンプション」として諸外国と足並みを揃える

アメリカ・イギリス・ドイツ・フランスなどの先進国では「ホワイトカラーエグゼンプション」として既に導入されている制度です。企業のグローバル化が進む中、日本でも同様の制度導入を目指したという背景もあります。

高度プロフェッショナル制度のメリット

1.多様な働き方を可能にし、人材確保が可能に

労働時間にとらわれず成果もとにして賃金が決められるため、育児中や介護中の従業員など、時間に制約のある従業員も働きやすくなります。

企業としては、育児中・介護中などの社員でも働きやすい環境を提供できるため、人材確保や離職防止に繋がります。

2.従業員のモチベーションアップ

労働の自由度が高くなり、成果が賃金に繋がりやすくなるため従業員のモチベーションアップにもつながります。

これまでの制度では長時間労働が賃金に繋がり悪循環となっていた職種でも、成果がダイレクトに賃金に反映されるため、企業としても従業員としても納得のいく賃金になります。

その上、労働時間も自由に決められるので、労働意欲が増し、モチベーションアップに繋がります。

3.生産性の向上

時間にとらわれず成果を求められるようになるため、今まで以上に効率を考えて業務にとりかかるようになります。その結果、企業としても生産性が向上し、業績につながることが期待されます。

4.無駄な残業代の削減

労働時間をベースにした賃金制度では、従業員は残業をするほど賃金が増えるという状態でした。しかし、高度プロフェッショナル制度では、時間外・休日労働に対する支払いはなくなりますので、企業は残業代削減につながる可能性もあります。

高度プロフェッショナル制度のデメリット

1.残業の増加

生産性の向上が見込まれますが、企業側が求める成果によっては残業が増加してしまうことも考えられます。

この高度プロフェッショナル制度が「残業代ゼロ法案」とも揶揄される原因でもありますが、企業側が高い成果目標を設定してしまうと、従業員は残業代なしで長時間労働を強いられる可能性もありえます。

結果、残業代の支給がない分、年収が下がっているということになると、モチベーションの低下にもつながります。

2.対象従業員の健康不安

成果を追求するあまり、残業が増加してしまったり、連日勤務をしてしまう従業員がでてくる可能性もあります。そうなってしまうと、健康面で不調がでてしまったり、メンタルに影響する従業員も出てくるでしょう。

高度プロフェッショナル制度の対象者が、正しく休日を取得しているか、長時間勤務になっていないかを、注視する必要が出てくる場合もあるでしょう。

3.成果に対する評価の不満

成果で賃金が決まるため、何を成果とするのか、どう評価するのかが不明瞭な場合、従業員の不満につながります。

例えば、研究開発職の場合、長い期間を要し研究した成果が、新たな製品化に繋がるような目覚ましい成果をあげることができるケースは限られていますし、金融のディーラーの場合には、自分の力ではどうもならない事柄に実績が影響を受ける可能性もあります。

このような場合に、成果を出していないと低い評価にしてしまうと、賃金低下にもつながり不満が広がります。実績を出すまでに長期間を要する業務の場合、賃金が長期間低いままということも考えられます。

企業で必要な対策や準備

高度プロフェッショナル制度に備え、企業は、義務付けられている項目への対応や、先に紹介したようなデメリットを解消するための対策を取る必要があります。

勤怠管理の見直し

高度プロフェッショナル制度では、従業員の労働時間(事業所内・事業所外とも)を客観的に把握することや、年間休日104日以上の義務化などが定められています。

さらに下記いずれかの実施が義務付けられています。

・勤務時間のインターバル(終業時刻から始業時刻までの間に一定時間以上を 確保する措置)
・健康管理時間の上限の設置
・1年に1度以上、2週間連続の休日取得
・臨時の健康診断

現状の勤怠管理で、勤務時間を客観的に把握できているのか、年間休日は満たせているのかなどを見直しておきましょう。

健康管理方法の再検討

高度プロフェショナル制度の対象者は成果を求められるため、長時間労働や過度なプレッシャーを抱えてしまう可能性もあります。

適切な勤怠管理により長時間労働を防止する、臨時の健康診断を受診しやすくする、メンタルな問題を抱えていないか確認するなど、対象者の健康管理の方法やフローを再度検討しておく必要があります。

評価基準の策定

成果で賃金が決定することになるため、従業員が納得する評価基準を策定することも必要になります。高度プロフェッショナル制度の対象職種の中でも、成果を可視化しづらい職種もありますし、最終成果だけで評価できない部分も出てきます。

例えば、研究開発職の場合、長い期間を要し研究した成果が、新たな製品化に繋がるような目覚ましい成果をあげることができるケースは限られていますし、金融のディーラーの場合には、自分の力ではどうもならない事柄に実績が影響を受ける可能性もあります。

成果物や実績などだけを成果として評価することの弊害が出る可能性もあり、企業として、何を成果とするか、成果をどう評価するか、最終成果や実績だけでなく、そこに至る業務の過程も評価対象にするのかなど、高度プロフェッショナル制度の対象職種向けに評価基準を策定する必要があります。

評価基準が明確に定められていない場合、賃金格差につながる可能性もあり、企業間での賃金格差が生まれると、最悪人材流出につながってしまう懸念もあります。

コミュニケーション手段の見直し

この制度がスタートすると、対象職種の従業員の勤務時間はバラバラになるでしょう。今までは決まった時間に同じ職場で顔を合わせて業務を進めていた場合でも、今後はチームメンバー全員が顔を合わせる時間が減ってしまう場合もあろいます。

業務に支障が出ないよう、密なコミュニケーションが取れるような方法を検討する必要も出てくることが考えられます。業務に限らず、企業と従業員とのコミュニケーションという点でも工夫が必要になってくるでしょう。

※参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000365015.pdf

対象職種は少ないものの、企業は対策が必要となります

漏れなく事前準備を行いましょう

2019年4月からスタートする高度プロフェッショナル制度についてご紹介しました。

対象職種はごくわずかとなっていますが、対象職種となる従業員がいる企業は対策が必要となります。年間休日や健康管理時間などは義務化されていますので、漏れがないよう再度見直しをしておきましょう。

この制度がスタートすると、企業によっては職種により勤務時間にばらつきがでてきます。コアタイムの制定義務などもないことから、組織内の情報共有や意思伝達に支障が出ないよう配慮することも必要となってきます。

社内SNSや社内掲示板、チャットツール、など社員間コミュニケーション手段の導入も検討してみてはいかがでしょうか。

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