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HRコラム

離職率とは?業界別・平均・新卒の状況をデータで解説。
「入社1年目」の対策が鍵

離職率とは

仕事に就いていた人数(=分母)のうち、退職した人数(=分子)の割合を算出したもの

離職率とは、ある時点で仕事に就いていた人数(=分母)のうち、一定期間後に退職した人数(=分子)の割合を算出したもので、その期間においてどれくらいの人がその仕事を離れたのかを表す指標となっています。

法的に決められた算出方法は無い

法的に決められた計算方法は無く、算出根拠となる「対象期間」や「対象者」を任意に設定することで、その使用目的によって様々な離職率を算出することが可能です。

一般的に企業で使われる離職率は、「期初の在籍社員に対する、1年間に退社した社員の割合」であることが多いのですが、その他にも、「新規学卒者(新卒社員)の3年以内の離職率」や「中途入社社員の1年以内の離職率」なども注目される指標のひとつです。

なお、厚生労働省が実施する「雇用動向調査」では、離職率は以下のように定義されています。

出典:雇用動向調査:調査の結果 -厚生労働省-

離職率が高い企業への影響

企業イメージの悪化

“離職率が高い企業”と聞くと、労働環境が悪いイメージがあります。いわゆる“ブラック企業”と判断されると、そのイメージの回復は容易ではありません。結果、企業の商品やサービスのブランドイメージも毀損し、業績が悪化することにもつながりかねません。

人材採用の難易度が上がる

離職率が高いと分かっている企業に、最初から応募したいという人は多くないでしょう。労働環境が悪い、仕事がハードである。という認識をされるため、そのハードさに見合う報酬があったり、スキルアップができる場でなければ応募者は増加しません。

これから人手不足が深刻化する時代に、採用することが難しくなってしまうと、企業としての競争力にも影響するため、離職率が高い状態であるということは、なるべく改善していくほうが良いでしょう。

離職率の平均、高い業界・低い業界について

平成28年の1年間の平均離職率は15.0%

厚生労働省の「雇用動向調査」によると、平成28年の1年間の平均離職率は15.0%。年によって多少の増減はあるものの、平成14年以降は14~17%台の間を推移しています。

平成28年までの過去10年間の数値を平均すると離職率は15.12%となっています。

出典:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/17-2/dl/kekka_gaiyo-01.pdf

離職率が高い業界は「宿泊業、飲食サービス業」

離職率の高さは業界によって様々ですが、平成28年の1年間で離職率が最も高かった業界は「宿泊業、飲食サービス業」で30.0%(1,3713,1千人)。次いで「生活関連サービス、娯楽業」の20.3%でした。

出典:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/17-2/dl/kekka_gaiyo-02.pdf

また、平成28年を含めた過去5年間の同調査の結果を遡って見てみても、「宿泊業、飲食サービス業」がやはり第一位、次いで「生活関連サービス、娯楽業」という構造は変わらず、これらの業界の離職率の高さが目立ちます。

逆に、離職率が低い業界としては、「複合サービス事業」や「建設業」、「金融業、保険業」が挙げられます。

参考:
【平成27年】 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/16-2/dl/kekka_gaiyo-02.pdf
【平成26年】 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/15-2/dl/kekka_gaiyo-02.pdf
【平成25年】 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/14-2/kekka.html#02
【平成24年】 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/13-2/kekka.html#02

新入社員の離職率

就職後3年以内の離職率は3割〜6割

では、新入社員の離職率はどうでしょうか。以下は厚生労働省が実施した「新規学卒者の離職状況」の調査において、新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率の推移を学歴別に表したグラフです。

出典:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000177659.pdf

中学卒、高校卒、短大等卒に当てはまる方は、3年以内の離職率が4割〜6割、大学卒は3割の離職率となっており、学歴が上がるにつれて離職率は低くなる傾向にあることが読み取れます。

逆にいうと、大卒者は3割の離職率ですが、中学卒、高校卒、短大卒は10人採用すると3年以内に4〜7人が辞めてしまうということになり、高い割合となっています。

また、学歴に関わらず、3年のうち、1年目で離職する割合が最も高いことが分かります。早期離職を防止したいと考えている場合は、この1年目の社員に対して何をするかがまず重要なのかもしれません。

離職率の割合自体は、ここ十数年の間で大きく増減があるわけではありません。「3年で3割辞める」ということを耳にしたことがあると思いますが、その流れはずっと続いているということになります。

大卒者で新規学卒者の離職率が高い業界は、「宿泊業、飲食サービス業」

大卒者において、新規学卒者の離職率が3割を超えている業界は以下の通りとなります。(平成26年)

▼離職率が3割を超えている業界(高い順)
「宿泊業、飲食サービス業(50.2%)」
「生活関連サービス業、娯楽業(46.3%)」
「教育、学習支援業(45.4%)」
「小売業(38.6%)」
「医療、福祉(37.6%)」
「サービス業(他に分類されないもの)(35.4%)」
「不動産業、物品賃貸業(34.9%)」
「学術研究、専門・技術サービス業(32.9%)」

また、この業界別の離職率において、低い方にあたる業界は、以下になります。(20%前後、またはそれ以下)

▼離職率の低い業界
「電気・ガス・熱供給・水道業(9.7%)」
「鉱業、採石業、砂利採取業(11.9%)」
「製造業(20.0%)」
「金融・保険業(21.8%)」

出典:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000177703.pdf

離職率が高くなる原因

人間関係、労働環境など、職場環境が大きな原因

退職の理由として多いものにはどのようなものがあるのでしょうか。

エン・ジャパンが実施した「退職理由のホンネとタテマエ」についてのアンケート調査(※1)によると、本当の退職理由としてあげられたのは“人間関係”でした。


(※1)退職理由のホンネとタテマエ 会社に伝えた退職理由は「家庭の都合」、実際は…? -エン・ジャパン株式会社-

本当の退職理由として上位に上がっているのは、人間関係の次に評価・人事制度、次に社風・風土、給与、拘束時間などがあり、職場環境が原因であることが分かります。

人間関係については他の項目を大きく引き離す25%となっており、職場での対人関係がいかに重要であるかが分かります。

また、「評価・人事制度」、「給与」、「拘束時間」など、“自身の求める条件と、置かれた現状とのギャップ”によってもたらされる不満も理由の多くを占める結果となっています。「社風・風土」が合わなかったというような、“会社とのミスマッチ”も理由としてあげられています。

参考:ミスマッチが起こる理由は? 離職を防ぐには採用時と入社後のフォローがポイント

社員の離職を防ぐ方法

一昔前まで当たり前だった「終身雇用制」とは違い、現在は多様な働き方やより良い労働条件を求めて、「転職」という選択肢が誰にでも身近に存在しています。

しかし企業としてはせっかく獲得した人材を他に流出させたくないと考えるのは当然でしょう。社員を長く定着させ、最大限に活かしていくために、企業はどのようにして離職を防ぐことができるのでしょうか。主な対策として考えられるものをいくつかご紹介します。

1)社内のコミュニケーションの活性化

対人関係で悩んでいる場合、周囲に相談できずひとりで問題を抱え込んでいるケースも少なくありません。誰かに間に入ってもらうことで案外簡単に解決ができたり、お互いに生じていたすれ違いや誤解に気づくことができたりする場合もあります。

いざという時に第三者が状況を理解し、ともに解決しようとしてくれる、そんな関係性を普段から築いておくという意味でも、日常の社内コミュニケーションは非常に重要。対人関係における不満への対応策として特に有効といえます。

▼具体的なコミュニケーション活性化施策
メンター制度
ブラザーシスター制度
1on1MTG
シャッフルランチ
同期会・パパママ会など、共通点のある社員同士をつなぐ仕組み
部活動制度

2)人事評価制度の見直し

働くうえで誰もが、自身の仕事ぶりや成果に対して適正な評価をしてほしいという思いを持っています。会社としてはまず、評価基準を明確に示し、そのうえで、個々の目標設定とそれに対する振り返りをしっかりと行い、正しく公平な評価をする必要があります。

目標管理をするにあたっては、上司と部下がしっかりと話し合いをし、ともに目標を達成しようと取組むことがとても重要です。

給与や昇級に紐づく評価制度だけでなく、普段から“仲間や周りから感謝される仕組み”や、“表彰される仕組み”など、多方面から評価される仕組みをつくることで、補完することもできます。

従業員が何にやりがいを感じ、何に喜びを感じるのかは個人差があります。金銭的な報酬だけでなく、非金銭的な報酬が得られる仕組みも整え、運用していくことも重要です。

▼具体的な非金銭的報酬を受けられる制度例
サンクスカード
MVP表彰
社内報で取り上げる
休暇制度の整備
スキルアップ支援制度

3)多様な働き方への対応

近年では「ワーク・ライフ・バランス」を重要視する声が高まっています。また、出産や育児、介護など様々な事情を抱えながらも、仕事と家庭を両立して長く働き続けたいと考える人の数も年々増加傾向にあります。

そのようなニーズに応じるために、フレックスタイム制や週休3日制といった就業制度や、テレワークなどの新しいワークスタイルを取り入れる企業や、休職者が復帰しやすい環境の整備に注力する企業が増えています。

このように、社員が求める多様な働き方に応じることが、社員の定着度にも大きく影響するといえます。

4)入社後のミスマッチを防ぐための取り組み

主に入社前の内定者が対象となりますが、実際に入社した後に、思っていた仕事と違ったり、仕事に対してやりがいを感じられないといったミスマッチを未然に防ぐことも離職率を下げるための対策のひとつです。

会社の経営理念や実際の仕事内容、働く人のことを入社前からより深く知ることが、仕事に対するモチベーションを高めたり、不安を少しでも取り除いたりすることへ繋がり、結果的にマイナスのギャップが生じるリスクを軽減することができます。

先程の調査データでもご紹介したとおり、入社3年以内の離職率の中で、1年目の離職率が一番高いという結果がでています。1年目、入社した後にどのようなことを行っていくのかが重要です。そのためにも、入社前、入社後のフォローは今後より対策が求められます。

上記の対策はあくまで一例ですが、離職を防ぐために企業が最も意識すべきことは、社員一人ひとりと向き合い、社員の声を拾い上げることではないでしょうか。そのためには社員と会社、または社員同士の信頼関係を築くことがまず第一歩であるように思います。

【関連記事】社員の離職を防ぐ「リテンションマネジメント」の施策とは? 〜青山学院山本教授インタビュー(前編)〜

離職率を下げることだけを目的にしてはいけない

社員の定着を促し、会社の戦力となる人材育成の視点が重要

少子高齢化が進むなかで、いかに優秀な人材を確保するかは会社にとってとても重要な課題です。しかしせっかく優秀な人材が入ったとしても、すぐに離れていってしまっては意味がありません。社員の獲得自体がゴールではなく、その社員が定着し、会社の戦力となる人材へと育っていくことこそが最も重要だと考えます。

今いる社員が実力を最大限に発揮して働くことが出来れば、確実に競争力はアップし、企業が拡大成長していくことができるはずです。

また、離職率が高い=悪なのかというと、そうではありません。採用にかかるコストや教育費を考えると、離職者が出ないようにすることも必要ではありますが、従業員一人ひとりの価値観や働き方、会社が目指す方向性や事業の成功を考え、双方にとって良い形を考えた結果、離職もやむを得ないという場合はありえます。

単に離職率を下げようとするのではなく、自社にとって、どんな人に入社してもらい、会社で長く活躍してほしい人はどんな人なのか、今離職している人は会社にとって退職されると困る人なのか、経営理念や行動指針に合わせて明確にしたうえで、離職対策を考えていくことが重要です。

TUNAGでは、従業員エンゲージメントを向上するための環境づくりを支援しています!

会社と社員、および社員同士が信頼関係にある状態を実現するために、TUNAGでは以下のような様々な機能や制度を利用し、各企業が抱える課題の解決のためのPDCAを行うことが可能です。

・タイムラインへの投稿やチャットを通じた社員間コミュニケーションの促進
・日報の共有による日々の業務把握
・上司と部下の1on1ミーティングの実施管理
・就業規則や社内ルールなどの全体周知
・内定者フォロー
・エンゲージメント診断による実態の把握、改善  etc…

それぞれの企業の課題に沿ってTUNAGをうまくを活用することで、社内のエンゲージメントを高め、離職率の改善を図ることができます。