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HRコラム

休み方改革とは?政府の取り組みや企業事例について解説

日本では、仕事を休みやすい環境がまだまだ根付いていません。長期休暇が当たり前の欧米とは異なり、数日間であっても連続で休みを取るのも難しいのが現状です。

休日の少なさは、過重労働や過労死などの社会問題にも繋がる問題です。国際的にみても、日本のこのような労働状況は決していいものではありません。

日本の労働者の環境をよくするため、政府は「休み方改革」への取り組みを始めています。各社の成功事例や、社内で取り組むべきポイントなどを解説します。

休み方改革とは

休みが取りづらい企業の風潮を改善することを目標とした改革

日本政府が主導している労働環境に関する取り組みのひとつで、休みが取りづらい企業の風潮を改善する事を目標としています。

官民一体で休暇を取りやすい環境をつくる

欧米と比較して、日本はなかなか休みが取れないのが現状です。ゴールデンウィークやお盆休みなどに休暇が集中して他の時期に長期休暇が取りづらいなど、様々な要因が重なりあい、日本の有給休暇取得率は他国と比べて低水準です。

こうした現状を打破するため、政府主導で行われているのが「休み方改革」です。官民一体となって休暇を取りやすくする取り組みを行い、有給休暇を積極的に取得することや長期休暇の見直しなど、労働者がもっと休みを取りやすい環境を作るのが目的です。

政府の取り組み

2014年からシルバーウィークの大型化の促進

2014年には「経済財政運営と改革の基本方針2014」を閣議決定し、有給休暇を活用したシルバーウイークの大型化を促進する方針を打ち出しました。

また、2014年にはこのほかに「休み方改革ワーキンググループ」が発足するなどの取組みも始まりました。2014年は、労働者の休暇に対する考え方が変わり始めたきっかけの年と言えるでしょう。

厚生労働省もこうした動きに追従し、2015年に「働き方・休み方改善ポータルサイト」を開設しました。

参考:働き方・休み方改善ポータルサイト

休み方改革官民総合推進会議の新設

さらに政府は2017年6月からは「休み方改革官民総合推進会議」を新設し、より積極的に改革を推し進めています。

たとえば、毎月最終金曜日は15時に仕事を終わらせようというプレミアムフライデーの取組みも、休み方改革の一環です。しかし月末は忙しいというところも多く、あまり浸透していないのが現状です。

キッズウィークの導入がスタート

また、2018年4月からは、新たな取り組みとして、一部の自治体で「キッズウィーク」の導入が開始されました。キッズウィークとは、学校の夏休みなどの長期休暇を分散させ、他の祝日と合わせた長期休暇にしたり、新たな休日を作ろうという取り組みです。

それに伴い、各社も足並みをそろえた年次有給休暇の増加を目標にしており、国や自治体も支援する動きが広がっています。プレミアムフライデー、キッズウィークと新たな休み方が次々と生まれていますが、今後もさらに新しい休暇が生まれるかもしれません。

休み方改革に関連する助成金も

労働者が無理なく休めるような取り組みを推進するためのガイドラインや、中小企業への助成金などの指針が掲載されています。

休み方改革を支援する助成金にはいくつか種類があり、中小企業の職場意識改善やテレワーク環境の導入などを支援します。たとえば、「時間外労働等改善助成金」は、時間外労働を減らし、労働時間の短縮に取り組む中小企業に支給される助成金です。

また、職場意識改善助成金(テレワークコース)はテレワーク用の設備の導入などを行い、効果的に運用している企業に最大150万円が支給されます。

その他にも各都道府県の労働局に「働き方・休み方改善コンサルタント」を設置し、労働時間の改善や効率的な働き方など、休み方改革に繋がる相談、アドバイスを無料で行っています。

なぜ休み方改革が推進されているのか

政府が主導となって休暇の取得を推進しているのは、いくつかの理由があります。休み方改革が広まった背景について解説します。

過労死や少子化などの社会問題

自由に休暇を取得できず、なかなか休めないという現状を政府も問題視しています。休めないことで過重労働に繋がり、最悪の場合過労死の原因になります。

また、子育て世代のゆとりのなさが少子化に繋がっていることもあり、十分な休みを取れる環境を整備することは政府にとって急務といえます。

低過ぎる日本の有給休暇取得率

厚生労働省が2016年に実施した調査によると、日本の有給休暇取得率は48.7%で、全労働者の半分も有給休暇を取得できていないという結果となりました。

また、世界的に見ても日本の有給休暇取得率は低く、旅行サイトのエクスペディアが2016年に世界28カ国を対象に実施した「有給休暇・国際比較調査」では、日本人の有休消化率は28カ国の中で最低でした。

その上、有給休暇の取得に罪悪感を感じる人は59%で2位と、日本の有給休暇の取りづらさが国際的に浮き彫りになりました。

参考:「世界28ヶ国 有給休暇・国際比較調査2016」  日本の有休消化率、2013年以来3年ぶりに最下位に

長時間労働の常態化

厚生労働省の調査では、週49時間以上の長時間労働者の割合は、欧米諸国等と比べて韓国が最も多く、次いで日本が多いという結果になりました。

韓国は労働に対する政府の規制が弱いのが長時間労働の原因です。しかし、日本は労働基準法などの規制があるにもかかわらず、欧米諸国に比べて圧倒的に長時間労働の割合が多いです。

サービス残業や有給休暇が取れないなど様々な要因がありますが、日本の長時間労働の常態化は深刻な問題です。

日本の労働者を取り巻くこうした現状を鑑みて、政府は休み方改革を強く推し進めることとなりました。休み方改革を推進し、適切な労働時間や休暇が守られるようになれば、様々な社会問題の改善に繋がることが期待されています。

休み方改革の企業事例

休み方改革を推進しているのは政府だけではありません。各企業も、独自の施策を打ち出しています。企業が実際に行っている施策の事例を集めました。

住友林業株式会社

週休2日の通常の休日に加え、全国の拠点が全て休む定休日を設けました。偶数月に1日ずつの計4日間の休日が増えたことで、有給休暇を取得する率も大幅に改善され、目に見えた成果が現れました。

今後はさらに目標のハードルを高くし、2020年を目処に社内の有給休暇取得率を5割まで引き上げる予定です。

アートコーポレーション株式会社

アートコーポレーションは、アート引越しセンターの運営企業です。引っ越し業界は休みが取りづらいというのが常態化していました。

そんな中、アートコーポレーションは引越し業界の大手の中では他社に先駆けて定休日を導入し、年間30日程度の休日を確保しました。働きやすさを見直すことで、人材の定着率をアップさせるのが狙いです。

富士通

富士通は、管理職以上の社員は、夏休みや年末年始以外に、平日5連休の取得が必須です。

まず幹部社員が率先して休みを取得する流れを作り、一般社員が休みを取りやすい環境を作りました。幹部社員が休みの時でも、会社全体で休みの人をカバーするような働き方を目指しています。

さくらインターネット

さくらインターネットでは、休みを義務付けるのではなく、率先して休みを取得したいと思える環境づくりのために、連続休暇を取得した社員に対する手当を支給しています。

2日以上の有給休暇を連続でとると、1日あたり5,000円の手当が支給されます。さくらインターネットでは、このほかにも業務内容の見直しなどを行い、離職率を1%まで下げることに成功しました。

サントリー

サントリーは、休み方改革に非常に積極的な企業のひとつです。全社員が最低10日以上の年次有給休暇取得を取得するという目標を掲げています。さらに、5日間の夏季連続休暇取得や男性の育児休暇取得100%を目指し、様々な取り組みを行っています。

連続した休暇を取りやすくするために計画表の提出を義務化したり、各自の計画年休の予定の公開を行うなど、休みを取得しやすくするための取組みに非常に積極的です。

企業が取り組むべきこと

休み方改革を取り入れるためには、経営トップから管理職、末端の社員までの全てに、休みを取るということを前向きに考える意識を植え付けるのが大切です。企業が取り組むべき課題についてまとめました。

有給休暇取得率を上げる取り組みを徹底的に行う

有給休暇の取得率が低いなど、休みが取りづらい企業は休暇取得に対する意識が薄いという傾向が見られます。

こうした状況を変えるためには、有給休暇を取得することを徹底させるなど、社員が休暇を取りやすい環境づくりを経営課題とし、社内外に取組みを周知していくことが必要です。

休暇取得について、部署ごとの目標や計画を立てる

企業の規模によっては、部署によって繁忙期が異なり、社内で休暇取得の足並みをそろえるのが難しい場合があります。

部署ごとの業務内容やスケジュールを精査し、それぞれに合わせた休暇取得目標や計画を立てることで、休暇取得の現実的なラインを設定しやすくなります。

休暇取得によるメリットを伝える

管理職のマネジメントや、一般社員の考え方を変化させるためには、そもそも休暇取得が会社や従業員にとってメリットがあることだと伝えていくことが必要です。

休暇取得状況や従業員の労務管理を評価項目に取り入れたり、研修を通じて仕事と休みのバランスの重要性を伝えていきましょう。トップからではなく、社員全体に休みを取得するメリットを浸透させることが重要です。

休み方改革の具体的な方針を開示する

これから全社を挙げて取り組むということを周知するため、経営トップから社員に対して現状と目標など、今後の方針を示していくことが必要です。

ただし、漠然とした内容では実行力にかけ、社員からの信頼も得られません。現状と目標を数値で示したり、改革の柱となる具体的な施策を発表するなど、本気で改革に取り組む姿勢を明確にしていきましょう。

休み方改革は、生産性を高め、健全な労働環境の構築につながる

従業員の健康を維持し、生産性向上や業務効率化を進めることが長期的な企業の成長へ

休み方改革は、生産性を高め、健全な労働環境の構築に欠かせません。政府が推進している施策ということもあり、企業としても積極的な対策が必要です。

それぞれの部署に合った施策を行い、社員が無理なく働ける環境を目指しましょう。また、休み方改革を成功させるには、業務の効率化などの働き方改革も必要です。

エンゲージメントを高めるための社内制度のプラットフォーム『TUNAG』について

TUNAGでは、会社と従業員、従業員同士のエンゲージメント向上のために、課題に合わせた社内制度のPDCAをまわすことができるプラットフォームです。

会社の課題を診断し、課題に合った社内施策をご提案、その後の設計や運用のサポートまで一貫して行っています。課題の診断は、弊社の診断ツールを使い把握することが可能です。ツールと専任のコンサルタントの支援で、経営課題を解決に貢献いたします。

休暇取得を安易に推進するのではなく、そもそも休暇取得ができない理由を把握したうえで対策や進め方を検討していかなければ、現場の共感を得ることはできません。

組織改革には長期的な取り組みが必要です。ぜひ一度ご相談ください。

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