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「パタハラ」とは?裁判事例などを元に企業の対策を解説します

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パタハラとは

育児に積極的な男性が職場で嫌がらせを受けること

「パタハラ」とは、パタニティー・ハラスメント(Paternity harassment)の略称です。パタニティーは英語で“父性”の意味を持ちます。父親である男性が、育児に積極的である姿勢を見せることが原因で、職場から言葉や行動で嫌がらせを受けることを、パタニティー・ハラスメントと呼びます。

妊娠・出産した女性に適切な仕事を与えなかったり、退職を促すような嫌がらせを「マタニティー・ハラスメント」と言いますが、パタハラでは、「男性なのに育児休暇を取るなんて」「保育園のお迎えで男性が短時間勤務をするのはおかしい」というような目で、育児に参加する男性を差別することを指しています。

「イクメン」という言葉も流行し、男性も育児に参加することが注目されてきているものの、いまだにビジネスの現場では、育児は女性がすべきで、男性はプライベートよりも仕事を重視すべき、という風潮が根強く存在しています。

一部の会社では、育児に積極的な男性を敬遠する風潮もあるようです。

パタハラの現状

厚生労働省が発表している「平成29年度雇用均等基本調査」によると、

“平成 27 年 10 月1日から平成 28 年9月 30 日までの1年間に配偶者が出産した男 性のうち、平成 29 年 10 月1日までに育児休業を開始した者(育児休業の申出をしている者を含む。)の割合は 5.14%と、前回調査(平成 28 年度 3.16%)より 1.98 ポイント上昇した“とあります。

データを参照すると、男性の育児休暇取得率は年々上昇傾向にはあるものの、まだまだ100人に5人程度という状態で、1割にも満たない取得率であることが分かります。

ちなみに同年度の女性では83.2%が育児休暇を取得しています。この事態を見て、政府は「2020年度までに男性の育休取得率を13%に」と目標を掲げています。

パタハラを経験した人の割合

また、2014年に日本労働組合総連合会が、約1000名の20~59歳の男性に実施した調査によれば、

「職場でパタハラをされた経験がある」と答えた人は 11.6%、

「周囲でパタハラにあった人がいる」と答えた人は 10.8%

との結果がでていました。データの母体は異なりますが、育児休暇を取得している人は5.14%である一方で、パタハラに遭っている人は10%以上いるとも捉えることができます。

実際には、育児休業を「取得したことはないが、取得したかった」という人が、45.5%という高い割合で存在しています。

そして、パタハラ経験者がとった対応 1位は「だれにも相談せず、子育てのための制度の利用をあきらめた」 という残念なものでした。職場でパタハラが起こる原因 についても、「上司や同僚の理解不足・協力不足」が57.3%を占めたとのことです。

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パタハラが発生する原因

上司や同僚からの理解不足

周囲の理解不足がパタハラを生む原因となっています。男性は子供が生まれても「残業はするべき」と考えていたり、子供のお迎えを理由に「残業はできません」と断ると「この重要な業務は任せられない」と業務を変えたり、降格させようとするといったことが起こるようです。

業務の変更や降格などはキャリア上の不利となるため、男性にとっては職場での立ち位置に悩むこととなります。

特に、妻が主に専業主婦である年配の上司の中には、「子育ては女性がするもの」というような昭和的な発想を強く持っている人も多く、共働きの増加する若い男性社員と育児に関する認識もズレていることがあります。

前述の日本労働組合総連合会の調査を世代別にみると、育児休業について、40代までは“取得したいが、できないと思う”と答えた人が過半数(20代51.9%、30代57.8%、40代 51.9%)となり、50代では“取得できる”と“取得したいが、できないと思う”が同率(41.1%)となったそうです。

50代以上では、育児休業について現実可能のものととらえているかどうか、ジェネレーションギャップが存在していると言えます。

企業の体制が未熟

女性も少し前までは「子どもが生まれたら仕事を辞める」割合のほうが多い時代でしたが、現在になり、企業内で女性への育児に関する制度がやっと充実・浸透してきたというのが実情です。

しかしながら、男性に対してはまだまだ手薄だと言えます。男性の育児に対する協力がなければ、共働きの女性が1人で育児を担うことになります。パタハラへの対策は急務と言えるでしょう。

育児休暇に関する知識不足

育児休暇というと、福利厚生の整った大企業の社員が取るような印象がありますが、実は誰でも等しく権利があります。

「育児・介護休業法」という法律があり、会社に制度がなくても(就業規則等に規定がなくても)、一定の要件を満たせば誰でも育児休業を取得でき、会社はそれを拒否することは出来ません。

また、会社の制度上育児休暇中に無給の場合は、雇用保険から 「育児休業給付金」が支給され、休業中の社会保険料が免除されます。

1か月ごとの給付金は、休業開始時から180日目までは賃金の67%、それ以降は賃金の50%です。このように、「育児休暇」が法律や国から守られた権利であるという認識が不足していることも原因の一つでしょう。

パタハラに関する裁判事例

証券会社での事例

ネットニュース等でも話題になった事例ですが、証券会社に勤務する外国人男性が、会社に対して、地位確認、賃金支払いと損害賠償を求めて東京地裁に提訴した事例があります。

男性は、パートナーの出産に合わせて育児休業の取得を申請しましたが、会社側は、男子が母子手帳を所持していないことなどを理由に認めませんでした。

その後、父子関係を証明するためにDNA鑑定書などを提出するなどして育休休業を開始しましたが、復職後に仕事を与えられないなどのハラスメントを受けたようです。

状況を上司や人事部に訴えても改善せず、うつ病の発症にまで至ってしまい、会社側は休職命令を出しました。

会社の説明によると、休職命令は“安全配慮義務”であり、育休明けに仕事を与えなかったのは“子育て中であることを配慮した結果”というコメントを出しています。

病院での事例

京都のある病院に勤務する男性が、育児休暇を申請したことを理由に、昇給を受けられず病院を裁判で訴えたという事例があります。

男性は2010年度に3カ月間、育児休業を取得したことを理由に2011年度に能力給の昇給が認められず、なおかつ昇格試験を受けることが出来なかったそうです。

男性はまず京都労働局に援助の申し立てを行い、労働局が病院に是正勧告を行ったものの、病院側が応じなかったため、男性は昇給のチャンスを得られなかったことによる損害賠償と慰謝料を求めて京都地裁へ提訴しました。

結果、判決では3か月間の育休取得によって能力の向上がないと判断することへの疑問が提起され、昇格試験を受けることを許されなかったことは「育児・介護休業法」からも違法とされ、慰謝料の15万円の支払いが命じられました。

パタハラを防ぐための会社の対策

インクルージョンを進める

インクルージョンとは、多様な個性を認め合うことで広く人材を活用する職場を指しています。育児休業を取る、育児中であるという「個性」を持つ社員に対して、周囲がそれを受けて入れていない風潮であれば、インクルージョンが進んでいない環境といえます。

イクメン企業アワードなどへの参加

イクメン企業アワードは、厚生労働省が育児を積極的に行う男性である「イクメン」を応援し、男性が育児休業を取得できる労働環境の整備推進を目的に、模範となる企業や個人を表彰している活動です。

たとえば株式会社サカタ製作所では、“育休取得による経済的不安を抱く社員のために、個別に収入シミュレーションを実施”するなど、育児休業が収入へ与える影響を会社側が説明する機会を設けたり、“スムーズに業務引き継ぎができるよう、取得予定